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こうして僕は、生まれて初めてバレンタインのチョコを貰えることになった。
これで僕も晴れて、バレンタイン一年生である。
僕は、バレンタインデーに義理でもない人情でもない。
本命チョコを貰えただけで、しあわせなんだ。
だけど、ひとつだけ困ったことがある。
それは……
ホワイトディーのお返しを何にするかだ……
本命なのだから本命で返したほうがいいよね。
僕もはるかさんのことが好きなわけだし……
さり気なく、はるかさんにホワイトディーのお返しに何がいいか訪ねてみた。
「ホワイトディーのお返しは、なにがいい？」
「なんでもいいよ」
本当になんでもいいのだろうか？
いや、気持ちが大事なんだよね気持ちが……
でも、その気持ちがわからない。
僕の気持ちを届けよう。
僕は、胸の中に潜めている指輪を出すタイミングをその日にしようと思った。
でも、ちょっと早過ぎるかな？
――おしまい
