08
初対面……
その言葉に胸が少し痛む。
「顔色が悪いけど大丈夫?」
はるかさんが、心配そうに尋ねる。
「大丈夫だよ」
僕はうなずく。
「じゃ、じゃ入ろう!」
はるかさんが、僕の手を引っ張った。
中に入ると店主が僕の方を睨んだ。
「この人店主の熊さん」
「ね、猫鍋です」
僕は、熊さんに軽く自己紹介した。
熊さんは、目のシワを細くさせるとニッコリと笑った。
「ああ、いらっしゃい。
はるかちゃんの彼氏かい?」
熊さんが、そう言うとはるかさんが、即答する。
「彼氏じゃないです」
なぜだろう?
胸がチクリと痛い。
もしかして、これが恋ってやつなのかな?