05
僕が気づいた時。
僕は控室のソファーの上で横になっていた。
体を起こすと額からタオルが、ぽとりと落ちた。
「あ、起きた?」
はるかさんが、落ちたタオルを拾いながら僕に微笑んだ。
「僕……」
「お酒飲み過ぎたみたいだね」
「入社式からとんだミスをしてしまった気がする」
「大丈夫!
みんな笑ってたよ!」
「それって大きなミスのような気がする」
僕が、そう言うとはるかさんが、ニッコリと笑う。
「気にしない気にしない。
猫くんが心配するほど、みんな気にしてないって!」
「そうだといいな」
「さ、元気出して帰りましょ」
僕は、ゆっくりと時計の針を見た。
時計の針は8時を指していた。