14
「……こりゃ酷いな」
座来栖は、思わずため息を付いた。
人やモンスターが沢山転がっていた。
「あ……」
ボクは、思わず声を出した。
そこに立っていたのは、13だった。
13の口元がかすかに動く。
ボクには、なにを言っているのかはっきりと聞こえた。
しかし、ボクはそれを口には出さなかった。
13は、人影に気づくとそこに銃口を向けた。
「13、待て俺だ。
座来栖だ」
「あ、座来栖さんか……」
13は、銃を降ろした。
「あの……
タマさんは?」
ボクは、心配だったもうひとりの存在。
タマのことを尋ねた。
「誰のこと?」
ボクは、タマの特徴を伝えようとする。
だが、もともと口下手なためうまく伝えれない。
「えっと頭に耳があって尻尾が3つもあって……」
13は、優しくいう。
「落ち着いて……
耳と尻尾があるってことは、獣人かな?」
「え?あ。うん。獣人」
ボクは前にいた世界のアニメの世界の単語を聞いてうなずいた。
「で、そのタマさんは尻尾を刀に変えたんだね?」
「うん」
「ってことは、妖狐一族かな?」
13は、座来栖の方を見る。
「だろうな」
「あと詩空孤児院を尋ねるように言われたんだ」
「詩空孤児院か……」
座来栖がうなずく。
「知ってる?」
ボクの心が一瞬穏やかになる。
「ああ、俺もそこの孤児院出身だからな」
「え?」
偶然の一致なのか、ボクは驚く。
「……だが孤児院がある村には掟があるんだ。
護れるか?」
「どんな掟?」
「村は家族だ。仲間だ。
だから、みんな仲良くする。
護れるか?」
家族。仲間。
ボクは、その言葉を聞くと表情が暗くなる。
「大丈夫……だよね?」
13がボクに尋ねる。
「……うん」
ボクが頼りなくうなずく。
「よし、この人たちの埋葬が終わったら村に向かおう」
座来栖は、小さく笑いボクの頭をくしゃくしゃと撫でると小さく笑った。