序 Easiri
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1857年、
現オトイネップを訪れた松浦タケシロウは、アエトモという名の
北方ではわたしたち
「この国に生まれたもの」という意味であり、「ナ」とは尊敬を表す旦名なりしが、いつしか日本人の発音に慣れて「アイヌ」という風に変容していったのだ、と。
また、『
わたしたちは自然に生きて、自然に生かされている。
全ての自然にはカムイがおられ、彼らとともにわたしたちは生きている。
カムイが輪廻し滅びない限り、わたしたちアイヌが滅びることはない。
この
アイヌもカムイも、この約束の国なくして存在することはできない。
それを忘れた時、この大地に災厄が生まれるだろう。
......と。
タケシロウは日本人としての自分と、アイヌ部族との約束として
「
この地をそう名づけたのだ、という話さ。
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