01話:「書籍化の打診が来ています」というメール
小説家になろうを見ていると、書籍化作家さんは皆さん「書籍化の打診に驚いた」とおっしゃいますよね。
自分もそうでした。
今日の一冊に取り上げられた時も「運営からのメッセージ」というのは届きましたので、正確には運営からメールが届いたのは2回目だったのですが「騙されてない?」と思ったのを憶えています。
まず、出版社をググりました。実在していました。
編集部をググりました。実在していました。
編集部の電話番号と住所をググりました。実在していました。
メールアドレスのドメインを調べました。実在していました。
ここまでやって「どうやら嘘ではないらしい」と確認しました。
しかし出版という商売に無縁だった自分は手続きも何もわかりません。
「まずはお会いしましょう」という文面に若干の疑いを持ちつつも、それでは進まないのも事実なので、連絡をくれた出版社に直接伺うことにしました。
やはり実在の出版社の住所で事務所という実物を目にするまでは、どうしても信じられない気分があったからです。
我ながら疑い深さにも程がある、とも思わないでもありませんでしたが、それなりに用心するだけの経験をしてもいたのです。