私見に対する考察
俺が、人生に於いて恋愛が不必要と考え始めたのは、いつからだっただろう。たぶん小学三年のとき、母が亡くなって、転校して、父と暮らし、中一のころには見事に独り暮らしになったころだろうか。いや、もっと前にきっかけがあったような気がする。そうだ。あれは小三の時、席替えだったかで、隣の席になった女の子の事を好きになったからだ。三年の終わりごろに告白して、見事に振られた憶えがある。その後、四年になるころに俺は転校してしまった。なぜかは分からないが、その子の名前は全く思い出せない。『な』で始まる苗字だったと思う。
私は、どうも『相棒』の陣川公平のように惚れっぽいのは以前から自覚していた。今まで3人近くの男子を好きになり、想いすら伝えられずに失恋した。小三のころ、クラスの男子に告白された覚えがある。私はその男子の事が好きだった。でも、なぜか振ってしまった。たぶん照れ隠しのようなものだったと思う。その後、小四になるころに彼は転校してしまった。なぜか名前は思い出せない。『か』で始まる三文字姓だったように思う。
金曜日、俺と彩楓は、俺の自宅のリビングで一緒にTVを見ていた。動物系のバラエティ番組だった。俺は膝に軽量のノートPCを載せて、小説を書いていた。ツギクルと言うサイトで公開している。彩楓は、ふわふわもこもこしているような寝間着を着ている。今日は彼女の両親が、旅行でいないそうだ。妹さんは独身の母方の祖母の家に泊まるらしいが、祖母の家は埼玉県飯能市にあるということで、しかも両親は一週間近く旅行に出るらしい。妹さんの中学校は私立で西東京市にあるということで問題ないが、俺達が通う高校は渋谷の中心部に近いところにあり、飯能市からだとかなり遠い。と言う理由で、学校から少し近い俺の自宅に泊めることになった。俺は、自宅の部屋の殆どを使っていない。自室とリビングくらいしか使わないので、部屋は山ほど余っている。とりあえず主寝室を使ってもらおうかと考えている。彩楓が突如として、
「charlotteってアニメ知ってる?」
と尋ねてくる。俺は、
「知ってるけど。いきなりどした?」
と言う。彩楓は、
「明日土曜日じゃん。だったら夜通し見ようよ」
と言った。俺は、
「何で俺がBlu-ray持ってる前提なの・・・まあ、あるんだけど」
と言い、リビングにあるラックに入っているDVDケースを取り出す。
翌日朝、ベッドからゆっくり起き上った。まだ眠い。昨日7時間近くかけて、『charlotte』を全話観た。久し振りに見たがとても面白かった。リビングに出ると、彩楓がソファで寝ていた。