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小物屋さんに入り、店内をうろうろしてリボンを探す。

「何かお探しかな?」

店員さんに話しかけられて助かったと思った。

とても綺麗な店員さん。

「女の子の髪を結ぶリボンを探しているんです。」

店員さんはすぐにリボンの場所まで案内してくれた。

「どんな女の子?」

言われて返答に困る。

「……逢ったことがないんです。」

「え?」

僕の返事に困惑する店員さん。

そりゃそうだろう。

「でも、多分大人しくて優しい女の子だと思います。」

僕は話しながら、店員さんは笑っているだろうと思った。

こんなおかしな注文をつけているのだから。

しかし、チラリと見た店員さんは真剣にリボンを見詰めていて……

「それならこのリボンはどうかしら?」

ニッコリ笑って手渡されたのは薄い桃色の生地に白い桜の花びらが微かに輝くリボン。

「いくらですか?」

僕は一目で気に入り、買おうと決めた。

「二千円になります。」

言われて慌てて財布を開いた。

千円が一枚と五百円が一枚と百円が二枚と十円が一枚、そして一円が二枚だけ……

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