第7話:査問委員会
「さて、被告雄太は何か言いたいことがあるだろうか?」
「ちょっとまてぇっ! なにこれ、ケント一体どういう事っ!?」
「だまらっしゃい! 雄太てめぇ、幼馴染には恋愛感情ないとか言っておきながらなんだよあれは! しかも三大女神みんながお前を好きだとか、一人よこせよ!!」
今朝の大騒ぎはホームルームが始まるという事でいったんお開きになったが、休み時間になった瞬間に僕は男連中に拉致されて準備室へと連れ込まれた。
なぜかみんな血の涙を流している。
「雄太どういうつもりだよ!」
「羨ましすぎる!」
「幼馴染ポジを俺に譲りやがれ!!」
男子たちは口々にそう言う。
でも僕だってあの三人が僕に好意を持っているなんて知らなかったし、そもそも僕は如月さんに振られて落ち込んでいたというのに!!
「なぁ、雄太はっきりしようぜ? 俺たちの友情か幼馴染か。どっちを取るんだよ!!」
「どっちって言われたって、僕だって状況をまだ理解しきれていないんだよ! まさか三人が僕の事好きだったなんて!!」
そう言うと、男全員がゆらりと立ち上がる。
そしてゾンビのように僕へと近寄ってくる。
「この果報ものめぇ~」
「うらやまけしからん~」
「リンちゃんまでぇ~」
何こいつら怖い!
もう人の言葉が理解できないんじゃないだろうかという風体。
僕は壁際に追い込まれ、もうだめかと思った次の瞬間だった!
「あちょぉーぅっ!」
バンッ!
どがバキッ!!
「雄太に手を出す奴は私が許さないアルよ!」
しゅっ!
ギュっ!!
「雄太大丈夫!?」
「雄太くぅ~ん!」
いきなり扉が開いてリンが殴り込んできた。
そしてエンデルシアが投げ縄で男連中を縛り上げる。
フランソワーズは僕のところにまで駆け寄って僕を起こし上げてくれる。
「お前たち、雄太に何かあったら絶対に許さないアルよ!」
「そうね、告訴して徹底的にやってあげるわ!」
「それはかわいそうだよ~社会的に抹消するだけで許してあげようよ~」
いや、皆本気で怖いこと言ってるんですけど!
三人はにらみを利かし、男たちをたじろげさせる。
それを見て三人は僕を引き連れここから出て行くのだった。