うちに吸血鬼がいます
吸血鬼がいると言うより、養ってあげているというのが正しいだろう。
何しろ、彼女は昼間自分で買い物に行けず、下着でさえ、男の俺に任せていた。コンビニも色々品ぞろえが豊富になってきたが、消耗品である女性用の下着となると、彼女の注文を色々聞いて、男の俺が昼間、専門店に行き店員さんに尋ねて購入していた。最初、俺は下着専門店での購入は恥ずかしかったが、彼女へのプレゼントを買いに来る男性客も多いとかで、今では平気でお店のレジに並べるようになった。
俺は、完全に彼女の下僕だった。彼女のために定期的に自分の血を与えていたし、血を吸われても俺は人間のままで、その美しい吸血鬼に尽くし、一緒に暮らした。彼女は、俺以外から血は吸わなかったし、永遠に若い彼女がそばにいてくれるだけで男として幸せだった。人間の俺が先に死に、俺の死をみとった後、彼女は俺の後を追うように陽光の下に出て、骨も残さず燃え尽きた