26「リリン殿下のあまりにも壮絶な覚悟」
■■■ Side ガブリエラ ■■■
リリン殿下「ガブリエラよ。もうじき、レジが雲から出てくるはずじゃ。
そうしたら、余をレジ目がけて投げ飛ばせ」
ガブリエラ「はぁああ!?
そんなことしたら、アンタ、死ぬにゃ」
リリン殿下「余が寄り添ってやらねば、あやつは本領を――【収納星】としての力を発揮できぬ」
ガブリエラ「だから、アンタを雲の高さにまでにゃげ飛ばせって?
そりゃウチの膂力にゃらできにゃくもにゃいけど。
アンタ、その高さから生きて戻るすべを持ってるのか?
あいにくと【風聖】はエンデ温泉郷で戦ってるにゃ」
リリン殿下「そのへんは、レジが何とかしてくれることを期待するしかあるまい」
ガブリエラ「にゃんとかしてくれにゃかったら?」
リリン殿下「余は死ぬじゃろうな」
ガブリエラ「…………」
リリン殿下「じゃがまぁ、それも仕方のないことじゃ。
あいにくと余は、すでにレジに心を許し、レジと将来を誓い合ってしもうた。
余は、レジを愛しておる。
レジのいない明日に、意味はない。
ならば余は、レジと笑って明日を迎えられるよう、死力を尽くして戦うまでじゃ。
時間がない。はよぅ構えよ」
ガブリエラ「は、はは……にゃはははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ!
…………イカレてるよ、アンタ」
ガブリエラ(けど、認めざるを得にゃいにゃ。
悔しいけど、ご主人様の正妻の座はアンタに譲ってやる)
ガブリエラ「いきますよ、リリン殿下。
うぉぉおおおおおおりゃぁあぁああああああああああああああッ!!」