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「暗殺組織ギフト、その実態調査だ。そしてお前が探しているカルミアは、ギフトのボスである可能性が非常に高い」

どうやって入手したのか、男はカルミアの顔が映った写真を見せながら言った。

男の言葉を聞いた時、カブトの脳内には過去の記憶が駆け巡っていた。


 カルミアがお守りだと言って渡してきたあれは、トリカブトの葉だった。

そして兄はトリカブトの毒を摂取したことによって、心臓が止まったらしい。

あの晩餐会の後、俺は死刑判決を受けた。
俺の素性も徹底的に調べ上げられ、一族を追放されたことに対する復讐のために兄を殺したと結論付けられたのだ。

それに加え、俺はあの時ホオズキの写真を持っていた。

ホオズキとはカルミアの妹などではなく、本当はあの晩餐会に出席していた『重要なお客様』の娘のことだったようで、俺はホオズキ暗殺を企てていたことにもされた。

『重要なお客様』、つまり恐らくかなりの権力者であるホオズキの父親は、俺が娘の写真を持っていたことで怒り狂った。

そして俺が暗殺者だと騒がれている隙に、カルミアは無事に逃げおおせたらしい。

カルミアは、兄を殺した後にその罪を俺に被せるためだけに接近してきたのだ。
今更だが確かに思い返せば違和感は、ヒントはたくさんあった。

いつも散歩代行を頼まれていたあの犬は、飼い主であるはずのカルミアにいつまで経っても懐かなかった。

それもそのはず、あれはどこかから攫ってきた野良犬で、そもそもカルミアの飼い犬ではなかったのだ。

ただの便利屋に復讐の手伝いを依頼するというのも、冷静に考えればおかしい。
復讐計画自体嘘だったわけだが。

ヒントはあったのだ。
カルミアを怪しく思う要素は確かにあった。

しかし、だからと言って気づけただろうか。
いや、気づくべきだった。

……でも、やっぱり気づけたはずがない。

牢屋の冷たい床を見つめながら、俺は無意味な自己弁護を繰り返した。

いつ死刑執行が言い渡されるか毎日怯えているうちに、俺はいつの間にか復讐を決意していた。

「脱獄してやる。それでカルミアに、あの女に必ず復讐してみせる」

そして脱獄した俺はトリカブトと名乗り、あの女への手がかりを追っている。

これは俺の復讐の物語だ。

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