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第二話🔖手作りご飯と童顔なマネージャーさん

朝食を作ってくれたという
新條さんに連れられてリビングにきた。

『ご自分で料理されるんですね』

テーブルには二人では食べきれないんじゃ
ないかと思う程たくさんの
料理が並べられていた。

『美味しそうですね』

主婦も真っ青になりそうな
綺麗な盛り付けと手際のよさ。

『昨日の今日だから好き嫌いを
聞く暇がなかったから色々
作ってみたんだ……

嫌いな物があれば残していいからな』

そして、ほぼ初対面の僕にも
気を使ってくれる優しさ。

雑誌で読んだのとは
まるっきり正反対だ。

やはり、週刊誌はあてにならない。

「幸政、起きてますか?」

そんなことを考えながら
新條さんと向き合って
朝食を食べていると玄関の方から
男性の声が聞こえた。

『茉希、朝からうるせぇよ。

しかも、来客中だ』

お客さん扱いしてくれるんだ(苦笑)

リビンクまで来た男性は
はっきり言うと#童顔__・__#だった。

可愛らしい容姿をしている。

『晴哉、飯の途中で悪りぃな。

マネージャーの錫山茉希(すずやままき)だ』

さりげなく名前呼び!?

嬉しいような気恥ずかしいよいな……

そして、マネージャーさんだったのか。

『|鹿波晴哉」かなみはるや》と申します。

新條さんには昨日、助けていただきました』

流石に、泥酔して知らない内に
連れてこられたとは言いづらい。

『おい晴哉、さっき名前で
呼べって言っただろうが』

うん? そんなこと一言も……

成る程、そういうことか。

名前で呼んで欲しかったんだ(笑)

『だって幸政さん、
マネージャーの前で見知らなぬ僕が
名前呼びしてたら吃驚されると
思ったので咄嗟に苗字呼びに
しちゃいました』

そうならそうと
はっきり言ってくれたらよかったのに。

「えぇと鹿波くん、
幸政が君を助けたというのは?」

『晴哉で大丈夫です。

実は昨日、友人達と居酒屋で
飲んでいたんですが、変なお客さんがいて
絡まれそうになったところを
間一髪のところで幸政さんが
助けてくださって
一人で帰すのは心配だからと
泊めていただきました』

これくらいならどうにかなるだろう。

『幸政さん、昨日は
本当にありがとうございました』

『朝飯の前にも言ってたけど
あれくらい普通だから
礼はいいって言っただろ』

そう言って頭を撫でられた//////

こういうことをさらっとできる所が凄い。

「幸政は晴哉君を気に入ったんですね」

『そうだ。だからお前にはやらないぞ』

えっ? どういう意味!?

「確かに私と幸政の好みは似ていますが
あなたが家に自ら上げる程
気に入った人をとったりしませんよ」

“一目惚れした”
と言われた時にも思ったことだけど
#こっち側__・__#なんだろうか?

『あの、お二人とも
同性を好きになる人ですか?』

不躾とはわかっていても
訊かずにはいられなかった。

『俺はゲイだな(ニヤニヤ)』

「私はバイなのでどちらも
好きになれますね」

錫山さんは同類なんだ。

『そうなんですね』

幸政さんはゲイか(苦笑)

女性ファンが知ったら落胆するだろうなぁ。

「晴哉君は?」

『錫山さんと同じですよ』

そう、僕もバイだ。

「おやおや、仲間ですね(๑^ ^๑)

呼び方ですが私のことも
“茉希”で構いませんよ」

錫山さん改め茉希さんは
とっても若く見えるけど何歳なんだろう?

『あの、茉希さんは今何歳ですか?』

幸政さんと同じくらいか年下に見える。

「いくつに見えます?」

『幸政さんと同じくらいか
ちょっと下くらいに見えます』

僕の言葉に幸政さんが大笑いした。

『ぁはは、やっぱそう見えるよな?

だけど、茉希は俺より三つ上だ』

笑いながらだけど本人より先に
幸政さんが応えてくれた。

えぇ!? 年上!?

『す、すみません』

「謝らなくて大丈夫ですよ(๑^ ^๑)

幸政といると特に若く見られますから」

確かに顔の造形としては
幸政さんが端正な顔立ちで
茉希さんが童顔だから
若く見られるんだね(苦笑)

朝食を食べた後、幸政さんが
大学まで送ると言い出した。

流石にそれはまずい。

「それはかえって
晴哉君の迷惑になりますよ」

どう答えようか考えていたら
先に茉希さんが言ってくれた。

『幸政さん、お気持ちだけ頂きます』

不貞腐れたような()ねたような
表情(かお)をした。

テレビや雑誌では絶対しなさそうな
表情(かお)が見られたのは
ちょっと嬉しいかも♡

「晴哉君が心配なのでしたら
私がお送りして来ますから
幸政は(ここ)にいてください」

渋々頷いた幸政さんは玄関まで見送りに来てくれた。

『お邪魔しました』

茉希さんが玄関を開ける間際に
連絡先を書いたメモを渡された。

『何時でも連絡しろよ、待ってる』

チュッと額にキスまでして
リビングに戻って行った。

「行きましょうか。

その前に、これ渡しておきます。

何時でも連絡してください」

茉希さんも連絡先を
書いた紙を渡してくれた。

それを丁寧に折り畳み、財布にしまった。

『ありがとうございます』

来た道を戻るように走って行く
茉希さんの車を見えなくなるまで
見送って校内に入った。

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