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顔写真

私の知らない間に、その写真はネットに出回っていた。薄暗い場所で撮り、下に黒い服を着ていたので、白い顔がうっすらと闇に浮かぶ気味の悪い心霊写真として、ネットに出回り、私は生きているのに、他人を恨んで死んだ怨霊とされた。その事実を知ったのは、街を歩いている時、女子校生が、私の顔をスマフォと見比べるように見ていて気持ち悪かったので、「あの、なにか」と声を掛けたら、その女子校生が、悲鳴を上げたので、落ち着かせて、事情を聞いて、その顔写真のことを知ったのである。どこで撮ったのか、私も覚えていない。友達に誰がネットに上げたのか聞いて回ったが、誰も知らないと言い、肖像権の侵害ということであちこちに削除依頼を出したが、逆にその削除依頼が、心霊写真の信憑性を増す形となり、どんどんコピーされて、私は生きているのにネットで超有名な心霊写真にされてしまった。

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