祭壇
そんな疑問を抱きつつありがたくいただくことにした俺は早速一口食べてみたのだがこれがまた絶品だった。
口の中でとろける様な食感で噛まなくても
どんどん喉を通っていきいくらでも食べられそうなほどに美味い。
この味ならば魔王も満足できるに違いないだろうと思い後で報告しておこうと思った俺だがすぐに食欲に負けて再び食べ始めたのだった。
昼食を食べ終えた後は再び情報収集をして回ったがやはり目新しい情報は得られなかったため仕方なく戻ることにしたのだ。
拠点に戻った俺はしばらく休憩することにしたんだが、不意にセレナが俺の顔を覗き込んできたと思ったら突然キスをしてきたんだ。
当然、驚きのあまり固まってしまった俺だったのだが、彼女はそのまま舌を絡ませてきたかと思うと口内に唾液を流し込んできたのである。
最初は抵抗していたのだが段々と意識が遠退いていくのを感じた俺はそのまま意識を失ってしまったんだ。
そして目が覚めると目の前には彼女の微笑みがあったのである。
どうやら眠っていたところを起こされたらしいのだが、
なぜそんなことをしたのか尋ねてみるとこう答えたのだった。
「だってこんなに可愛いんだから犯したくなっちゃうに決まってるじゃん」
そう言われて背筋が凍りそうになったものの、何とか逃げようとしたのだが何故か体が動かなかったので思わず悲鳴を上げてしまったんだが
それを聞いたセレナはニヤリと笑うと俺を抱き抱えてどこかに連れていった。
そしてたどり着いたのはある部屋だったのだが、中は真っ暗だったので最初はよく見えなかったのだが、
段々と目が慣れてきたことでその正体を知ることになったのだ。
(これってまさか……!?)
そう、そこにいたのは巨大な蜘蛛だった。
しかもただ大きいだけではなく、脚の長さだけで俺の身長よりも高くなっていたのである。
(マジかよこれヤバいんじゃないか?)
と思いながらも逃げようとしたところ、
後ろから羽交い締めにされてしまった上に両手両足を押さえられてしまったため身動きが取れなくなってしまったんだ。
そして次の瞬間、俺は蜘蛛の巣に捕らえられてしまっていた。
必死に抵抗するものの全く歯が立たず、逆にどんどん糸を巻き付けられていって身動きが取れなくなってしまったのである。
その後どうなったかというと……なんとそのまま食べられてしまったのだ。
(嘘だろー!?)
と思った矢先のこと、俺の体全体に激痛が走るのを感じたかと思うと体が溶けていっていくのが分かったんだ。
どうやら消化液をかけられて溶かされているようだったんだが、あまりの痛みに意識が飛びそうになった瞬間だっただろうか?
突然、体の痛みが消えたかと思うと今度は猛烈な熱さを感じるようになったのだ。
(熱い!!体が溶けるーーーっ!)
あまりの熱さに叫び声を上げると口から大量の泡を吹き出して気絶してしまったのである。
目を覚ました時、俺の体は元に戻っていたんだがそれよりももっと深刻な事態になっていたんだ。
なんと目の前には大きな蛇がいて俺を睨み付けていたのである。
しかもこの蛇、口が大きく開いておりそこから長い舌が出ていて地面についているのだったから本当にヤバかったと思う。
なので俺は一生懸命逃げようとしたんだけどいつの間にか手にも足にも尻尾にも胴体にも巻きつかれていて身動きが取れなくなってしまっていたんだよ!
こりゃヤバイと思ってジタバタ暴れているとそいつは言ったんだ!
「やっと捕まえたぞ人間め……これでお前も終わりだな!」
おいおい嘘だろ?
冗談じゃねえぞと思っていたんだが、次の瞬間には目の前が真っ暗になってしまったんだ。
どうやら絞め殺されてしまったらしいなと気づいた時には既に遅かったようでそのまま意識を失ってしまったのだった。
次に目が覚めた時、俺は自分の部屋に戻ってきていたのだが体中に包帯を巻かれて寝かされている状態だったのである。
そして傍らにいたのはセレナだったんだけど何故かニヤニヤしながらこっちを見つめていたんだよね。
(一体どういうつもりなんだ?)
と思っているうちに彼女は口を開いたのだ!
「ねえ、大丈夫?」
と言われて一瞬戸惑ったけどすぐに思い出したことがあったんだよ。
(そうだ俺って確か蛇に襲われたんだっけ……?)
そう考えているうちに段々と記憶が蘇ってきたので思わず身震いしてしまったのだ。
するとそれを見たのか彼女が心配そうに話しかけてきたのである。
それに対して大丈夫だと答えたものの内心ではかなり動揺していたんだ。
なぜなら目の前にいる彼女の目は笑っていなかったからである。
だからなのか、つい警戒心を抱いてしまったのだが相手は何事も無かったかのように振る舞ってきたのでホッとすると同時に安心したんだが……
しばらくすると彼女はこう言ってきたのである。
「ところであなた名前はなんて言うの?」
そう聞かれた俺は咄嗟に名乗ってしまったんだが、そこで問題が起きてしまったんだ!なんと俺が名乗った直後に彼女が険しい顔つきになったかと
思うと俺を睨み付けてきたのだ。
これには流石に俺もビビってしまったがしばらくした後、急に笑顔に戻ったかと思うとこう言ったんだ。
「ごめんね、驚かせちゃって」
そう言って俺の手を握ってきたんだけどその手はかなり冷たくて震えていたから相当怖かったんだろうなと思って慰める意味も込めて頭を撫でて
やったのだがそれが間違いだったらしく突然押し倒されてしまったのだ。
突然のことに驚いていると彼女の方から話しかけてきたのだ。
(一体どうしたんだ!? まさか発情期なのか?)
と身構えていると予想外の言葉が出てきたのである。
どうやら俺を別の部屋に連れて行って二人きりになりたいらしい。
「ねえ君、うちに来る? 私の眷属にしてあげようか?」
そう聞かれた俺は即座に断ろうとしたのだが、彼女は俺の返事を待たずに俺を手の上に乗せてしまったのだ。
まさか本当に連れて帰るつもりなのかと不安に思っていたのだが、連れて行かれた先は寝室であり、そこにはベッドが一つ置かれていた。
そして彼女が服を脱ぎ始め素肌になるとそのままベッドに押し倒されたのだ。
(おいおいマジかよ)
と思ったものの抵抗する間もなくキスをされてしまったため身動きが取れなくなってしまったのである。
しかも舌まで入れられてしまったものだから頭がボーっとしてきてしまい何も考えられなくなっていたのだった。
その後も何度もキスをされているうちに次第に気持ちが昂ぶってきたようで段々と興奮してくる自分がいたのだが、
そんな俺を見た彼女はニヤリと笑みを浮かべるとこう囁いたのである。
「さぁ行くわよ」
「え、どこに行くんだ?」
俺がそう聞くと彼女は俺を手に乗せてきてある場所へと連れて行くように命令したのだ。
俺は彼女の指示に従って歩き始めることになったのだが目的地はどこなのだろうかと思っていた矢先のことだった。
彼女が足を止めたかと思うとそのまま下へと降りていくのである。
どうやら地面に穴を開けて地下に降りるつもりのようだがいったい何をするつもりなんだ?
と思っているうちに目的地に到着したようだ。
そこは岩に囲まれた大きな空間があり奥には祭壇のようなものがあったのだ!
(何だこれ!?)
そんな驚きを感じつつも彼女に連れられて中に入ってみるとそこには巨大な蛇がいて俺の方をじっと見つめていたのであった!
そして次の瞬間、突然噛みついてきたのである
やばいと思い咄嗟に避けたのだがなんと今度は尻尾での攻撃が来たではないか
しかもそのスピードたるや尋常ではなく避けることができずに捕まってしまったのだ。