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みんなが望んだから

「寄らないで、バケモノ!」
「なんで、そんなひどいこと言うの、みんながあの先生うざいから死んじゃぇばいいのにって言うから、みんなのために私が殺してあげたのに」
「う、うざいとは言ったけど、本当に殺せなんて言ってない、だいたい、そのあんたの姿はなに?」
「これが、わたし本来の姿なの、普段はホログラムで誤魔化してたけど、この星の言葉で言うと、わたし、宇宙人なんだ。で、みんなと仲良くしたいから、みんなの希望を叶えて上げただけ」
「す、素手で先生の頭を握りつぶすなんて、どう見たってバケモノじゃない」
「この星と私の生まれた星では、重力が違うから、自然、私の方が怪力になっちゃうだけよ。みんなと友達になりたいという気持ちに嘘わないわ」
「・・・だからって、ほいほい、先生を殺していいわけないでしょ」
「私、やり過ぎた?」
「そうよ、あんたの星じゃ、気に入らない奴をいちいち殺してるの」
「別にそんなことはないけど、ただ、みんなと同じく、自分たちの恒星系から飛び出せない未開人のくせに偉そうにしてるのがうざいなと思って、で、みんなも同じ気持ちなら、処分してもいいかなって」
「あんた、まさか、私たちのことうざいと思ったら、先生みたいに平気で処分する気?」
「そうね、あなたたちをうざいと思ったら、この星の人類を奇麗に抹殺するかもね。この星のためにも、人類がいない方が、自然は美しそうだし」
「な、なによ、あんたの気分次第で、人類を滅ぼすって言うの?」
「そういうことができるっていうだけ、あなたたちが、私の機嫌を損ねなければ、大丈夫」

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