似た者同士
「ねぇ、どうして私を殺さないの?」
「おいおい、そんなことできるわけないだろ」
「でも、私、あなたを独り占めするために、あなたの奥さんを苦しめて殺した最低の女だよ」
「だから、復讐で君を殺せと?」
「だって、人殺しは、ちゃんと罰せられなくちゃ」
「だったら、俺も同罪だ」
「同罪って、なに?」
「俺、君を独り占めしたくて、君の旦那さんを事故にみせかけて殺したんだ。だから、旦那を殺して、君に近づいた俺も最低野郎さ」
「そんな、うそ・・・」
「本当さ、俺たち最低野郎同士だったから惹かれ合ったんじゃないか」
「そう、かもね・・・」