第21話 『特殊』な部隊
「しかし、……隊長も物好きだよな。オメエめてえに使えない奴を隊員に選ぶとは」
本局を出て初めての交差点の信号に停まるとランはそう言った。
「向いてないんですよ僕」
誠は正直にそう話した。
「そりゃあわかる。ただそうも言ってられねえのが世の中だ。違うか?」
ランはドスを聞かしたこええでそう言い放った。
「そうなんですけど……特殊な部隊ってどこが特殊なんですか?」
誠は自棄半分にそう言ってみた。
「東和宇宙軍がこの遼州系での近代兵器を使った戦闘をほぼ止めちゃってるのはオメーも知ってるよな」
「東和宇宙軍の宇宙戦車の電子攻撃に耐えられる兵器なんてありませんから」
誠は予科学校で習った知識を総動員してそう答える。
「そうだ。今のところはこの遼州系では大規模な近代兵器を使って戦闘は起こってねー」
車はそのまま右に折れ東に向かった。
「だがそんな状態がいつまで続く?近代兵器じゃなくても銃や刀を使った戦いは孤立した大陸のベルルカン大陸をはじめ各地で起こってる。東和宇宙軍は無視しているが戦争は続いてるんだよ……今こうしている間にもな」
ランはそう言うと拘束に向かうランプにハンドルを切った。
「僕がどうこうできる話じゃ無いじゃ無いですか……それこそ民間軍事会社の出る領域じゃないですか」
誠は苦し紛れに沿い言い放った。