裏切りと俺
奴の言う事を信じるのであれば、妻殺しに関与した犯人がこの王国の中にいるはずなのに全く見つからないという異常な事態なのだ。
そのせいで住民からの信頼も一気になくなってしまったんだよ。それどころか次々と新しい国王は代わっていく一方でついにはもう一人だけになってしまっな??
それから数年後、今度はこの国が終焉を迎えてしまい結局誰一人として帰ってこないということだという悲惨な事件だったよ……。
そして俺はある決意をしたんだ。
そう、絶対に犯人を見つけてやるのだと、だから俺は 女神に祈りを捧げてみることにしたのだ。
すると、どうやら俺の祈りは届いたみたいで念話が繋がったような感じがしたんだよ。
そこで相手の場所だけを教えてもらいすぐに向かおうとしたんだ、
その場所にたどり着くことができた俺だったが、そこにいたのは瀕死の重傷を負った男だったんだ。
その男こそ 将軍であることに間違いはなかった。
そう、その男こそが俺を呼び出し妻殺しを依頼した張本人であったのだ。
ころがその時にはすでに瀕死の状態であった。
かなりの重症を負ったせいで意識がもうろうと している感じで、俺を見るなりこう言ったんだよ。
「ああ、やはりあなたでしたか?」
そう言われて驚いたんだが、どういうことなんだろうか? それは俺に関係がある事だったそうだ。
そう、何でも男が言うには俺は妻の仇を討つ為に復活してその力をもって妻を殺した人物を捜し出す事が目的だったらしいのだが結局その犯人を見つけることが出来ずに
終わっていたとのことだ。
そこで最後に俺を召喚すれば必ず会えると思ってそうしたのだというが、結局は失敗に終わったらしいのだ。
だが、何故そこまで俺の妻にこだわるんだろうかという疑問もあったわけだがそれについては教えてくれなかったんだなこれが……
ただ一言だけ言っていった事があるんだ。
それは……、 俺がまだ生きていた時に既に亡くなってたという事だったんだな?
そんなまさかと思ったんだが事実のようでさ、正直ショックだったけど仕方がないことだと思うんだ。
「勇者様」
そんな事を考えていたら後ろから声をかけられ振り向くと、そこには若い男がいた。
どうやらこの人は俺の部下になってくれるみたいだが一体どんな能力を持っているのだろうかと疑問に思っているといきなり消えてしまったんだ。
何が起こったのかわからず驚いているとすぐに目の前に現れて改めて自己紹介を始めたんだがな、
そんな時だ一人の魔族が襲ってきたので俺は倒したんだよ?
その後その男が言うには俺の妻を殺したのは別の人だったという事に気付いたのだ。
でも一体誰なんだ。
そんな時に現れた男の名前はというと、それは魔族の軍団長だったんだ。
つまり俺の部下だという事になる訳だから、それならば誰なのかを教えてもらうことにしたらさ答えてくれたんだよ?
そう、なんとそれはたった今俺が倒してきた男だったんだ、
でもおかしいだろう?
なんでわざわざ俺に倒されるためにやってきたんだという疑問がでてきたのでそれを聞いてみることにしましたよ。
そしてその理由というのが驚きの内容でした。
「勇者様に倒されたいと頼んだのはこの私だからですよ!」
そう言っていたのだ、
その理由 とは一体どういう物だったのか聞いてみたら、こんな事を言ったんだよ。
「それは簡単ですよ、私が倒された時点でこの国は私のものになるはずだったからな」
という発言が気になった俺は更に突っ込んで聞いてみる事にしたよ、
すると驚きの言葉を返してきたんだ。
「そうだとも! 何故なら私は魔王だからな」
と言ってきたのだからこれにはビックリしましたよ。
まさか自分が仕えていた人物がその本人だとは思わないじゃないですか?
しかもそいつは俺に自分の事を教えてきたんですよ?
それがまた衝撃的でしてね。
そうなんですよ、俺を騙して魔族に襲わせたのは他でもないこの男だったのですよ。
正直言ってやりましたよ、
「何故そんな事をしたのだ、許せない!」
と怒りに任せて怒鳴ってしまいましたよ。
でもそいつは特に慌てた様子もなくこう言ったんですよ、
「私は何も悪い事はしていない。全てはお国の為だったのであり、魔王としての使命だったからだ」
と言ってきましたが、そんなことを言われても納得できませんよね?
ですから反論しようと思ったら今度はこう言われたんですよ、
「まあいい、どちらにせよ君の選択肢は変わらないのだ。ここで殺される運命なのだからな」
勇者は自分の武器を手に取り戦闘態勢に入った瞬間事件は起きた。
なんと目の前に居たはずの敵が消えていたのである。
その直後背後から攻撃を受けたことに気づいていたが避けきれず地面に倒れ込むこととなったのだった。
そこで倒れた拍子に手元から離れてしまった剣を拾おうと必死になっている勇者にまたしても衝撃的なことが起きてしまったのだった。
それは何と目の前に倒したと思ったはずの相手が立っていたことだったりししかも傷が癒えているようにも見えるではないか?
「馬鹿な、あの攻撃は確実に効いていたはずなのに何故動けるんだ」
勇者が驚きを隠しきれずそう叫ぶと、 すると相手もそれに反応するかのように急に怒りだしたりしてさ。
まるで別人にすりかわったかのような感じがしたんである。
そこで勇者は、相手の能力を分析しようと観察することにしたんだが、その隙に攻撃をされたんだけれどな。
間一髪のところで避けることが出来たのでホッとしたんだけど、その後も相手の動きを注意深く見ていたところある事に気が付いたんだよ。
それは何かって言うと奴は自分の部下に対して命令を出していたんだよ。
その内容が 何と俺の妻を殺した連中を集めろって言っていたんでね?
それを聞いて確信したんですよ俺は利用されたんだって、
だからもう手加減するのは止めたよ。
本気で戦おうと思ってさ奴を倒そうと思ったわけだけどもそう簡単にはいかなかったんだよな。
なんせ相手は魔王だって言ってたからな簡単に勝てるとは思っていなかったけどやっぱり厳しいものがあったし何より俺が持っているスキルや
技が全て封じられていたからね仕方ないから剣の力に頼って戦うことになったんだが、そのおかげで何とか勝利することができたんだよ。
でもまさか魔王が倒されるとは思ってなかったのか慌ててやってきたものだから、咄嗟に攻撃準備に入ってしまったんだが違う意味で一瞬で終了してしまったよ。
「勇者様、助けて下さい」
といきなり言ってきたからね、俺は何故か返答しなかったんだよ。
だって別に相手は魔族だったから当然なのかもしれないんだけど仲間を殺したりしていたわけだしいい感情は持っていなかったから何で今になって
助けて欲しいと頼ってきたのだろうか不思議に思っていたらそいつは俺にこう言ったんだ。
それはまさに衝撃的なものだったよ。
「実は貴方が倒したその魔王は私のお父さんなんだ!」
と言われたんだから驚きましたよ。
自分の父親がやられたのならそりゃ自分もやり返そうと思うよな普通は?
でもこの場合は違ったみたいで、ただ単純に居場所が欲しいだけみたいなんですごく自分勝手な奴だったってことが良くわかったって
いうかさそれでこれ以上ここに居る意味も無いと思って立ち去ろうとしたところでふと気づいたことがあったんだよ。