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結婚式

誰だろうと思って見てみると、なんとそこには美少女が立っていたんだ、
しかもその子は俺に話しかけてきたんだよね、
どうやら道に迷ったらしくて困っている様子だったから、案内してあげることにしたんだ。
しばらく歩いているうちに、目的地に着いたみたいで彼女はお礼を言ってきたんだ、
それに対して気にするなと言って立ち去ろうとしたんだけど、なぜか呼び止められてしまったんだ、
なんだろうと思って振り向くと、突然告白されてしまったんだ。
それも結構熱烈なやつをね、それで思わずドキッとしたんだけど、すぐに正気に戻って断ったんだよ。
俺には愛する妻がいるからね、
だからごめんって言ったんだけどさ、なかなか引き下がってくれなくて困ったよ。
どうしたものかと思っていたら、そこに助け舟が現れたんだ。
そう、ミリスちゃんだった。
「ご主人様から離れなさい!」
そう言って彼女の前に立ち塞がってくれたおかげで助かったぜ。
ありがとうな、ミリスちゃん。
いえいえ、どういたしまして、当然のことをしただけですよ。
(照れくさそうに笑うミリスちゃん、めちゃくちゃかわいいです)
さて、そろそろ行こうか、いつまでもここで油売ってるわけにもいかないし、
「そうですね、行きましょうか」
ニマニマしながら言う彼女を見て、なんか嫌な予感がしたが、あえて聞かなかったことにすることに決めたんだ。
それからというもの、街中を歩くたびに声をかけられるようになった俺たちは、行く先々で色んな人に声をかけられたり、握手やサインを求められて大変だったよ。
でも悪い気はしなかったけど、むしろ嬉しかったくらいだ。
それだけみんなが俺達のことを応援してくれているということなんだから、それに応えるためにも頑張らないといけないよなって思って、
より一層気合が入ったよ。
まあそれはそれとして、今はそんなことよりも目の前の問題を解決しないとだよ。
というわけで、俺は意を決して聞いてみることにしたんだ。
いったいどうしてこんなことになってるのかを、すると返ってきた答えはこんな感じだった。
「そんなの決まっていますわ、私があなたを気に入ったからですわよ」
さも当然のように答える彼女に対して、俺は呆れながらも反論した。
「いやいや、だからって何でいきなりプロポーズになるんですかねぇ?」
その質問に彼女は即答した。
「そんなの決まっているではありませんか、貴方が好きだからですわ!!」
おいおい、マジかよ……勘弁してくれよ全くよぉ、俺が好きなのは勇者ちゃんだけだっていうのにさ、
なんでこんなことになっちまってるんだぁ?誰か助けてくれ、そんな俺の願いが届いたのかはわからないが、救いの手が差し伸べられたのだ。
その人物とは、もちろんこの私、ミリスちゃんであった。
「あらあら、大変ですね」
などと他人事のように言っているが、俺にとっては笑い事では済まされない出来事なんだよ。
くそっ、こうなったら最後の手段を使うしかないようだな。
そう思い立った俺は覚悟を決めて言った。
「……わかりました、そこまで言うなら結婚しましょう」
そう言って了承の意を伝えると、彼女は満面の笑みを浮かべながら抱きついてきたではないか、
おおっと危ない危ない、危うく押し倒すところだったぜ。
ふぅー危なかったぜまったく、もう少しで大変なことになるところだったよ。
いやほんとにギリギリセーフだったと思う、
我ながらよく耐えたもんだなって自分で自分を褒めてやりたいくらいだ。
まあそれはともかくとしてだ。
これからどうしようかと考えていると、
「ねえあなた、結婚式はどうしましょうか?」
唐突に聞かれたので、少し考えてから答えたんだ。
「そうだなぁ、とりあえず明日にでも挙げようか」
と言うと、彼女は嬉しそうに頷いた後で、こう続けた。
そして翌日、俺達は教会に来ていたんだが、そこで行われる式に備えて準備をしていたんだ。
まずはウェディングドレスを着てもらうために試着室に入ってもらったところなんだが、出てきた姿を見て俺は言葉を失ったね、
それほどまでに綺麗だったんだ。
「どうかしら? 似合ってる?」
と聞いてくる彼女に、俺は素直に感想を述べたんだ、
とても綺麗だよ、
まるで天使みたいだ、 それを聞いた彼女は照れ臭そうにしながらも喜んでいたようだった。
その後は指輪の交換をしたり誓いの言葉を交わしたりして、いよいよクライマックスを迎えたところで神父さんから祝福の言葉を貰った後、
誓いのキスをすることになったのだが、その時になって問題が発生したんだ。
なんとミリスちゃんが拒否し始めたんだよ。
なんで嫌がるのかと思ったら、どうやら恥ずかしいらしいんだ。
そんなの初夜を迎える時はもっと恥ずかしかったはずじゃないかとも思ったんだが、あの時は状況が状況だっただけにそういうことを考える余裕がなかったのかもしれないな。
そう思った俺は優しく諭してやることにしたんだ。
「大丈夫だよ、ここには俺達しかいないんだから恥ずかしがることなんてないんだよ?」
そう言いながら頭を撫でてやると、安心したのか落ち着いた様子だったので、改めて向き直った後にキスをしたんだ。
最初は軽く触れるだけのつもりだったんだが、思っていたよりも柔らかい唇の感触に夢中になってしまい、
次第にエスカレートしていった結果、気づいた時には舌を絡め合う濃厚なディープキスへと発展していたんだ。
しばらくして口を離すと銀色の糸を引いていたが、それが余計にエロく感じてしまったため、興奮を抑えることが出来なかった俺はそのまま押し倒してしまっていた。
だが、さすがにこれ以上続けるわけにはいかなかったため、なんとか理性を保つことに成功した俺は、最後にもう一度キスをしてからその場を後にしたのだった
その後、無事に式を終えた俺達は、
「今日からよろしくね、旦那様♡」
という彼女の言葉にデレデレになりながらも返事をするのだった。
ああ、幸せだなぁ〜と思いながら帰路についていると、ふと思い出したことがあったんだ、
そういえば今日は記念すべき日だったな、
よし、決めたぞ、今から勇者ちゃんのところに行ってお祝いしようじゃないか!
そうと決まれば善は急げだ、早速向かおうじゃないか、そうして俺は意気揚々と駆け出したのだった。
こうして私は無事魔王を倒し、世界に平和を取り戻したのである。
その後のことはあまり覚えていないが、気がつくと目の前には私の帰りを待つ人達の姿があった。
みんな笑顔で迎えてくれているのを見て、私も自然と笑顔になっていたようだ。

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