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素敵なプレゼント

「アハハ、あんた、ようやく気が付いたの。私が、本気であんたにお祝いの品を送るわけないじゃない」
「じゃ、やっぱり、あの真珠のネックレスのせいだったのね」
「あんたの旦那さん大怪我したんだって? でも、良かったじゃない。軽い障害が残るだけで、命に別状はないんでしょ。私としては、新婚のあんたらが死んで、お葬式で盛大に泣いてあげても良かったんだけど」
「あ、あんた…」
「でも、あれ、いわくつきだけど、使ってある真珠の粒は良いから、結構、お金かかったんだから」
「あ、そう、そんなに高級な品だったら、今頃、あんたの家族は大喜びでつけてるでしょうね。特にあんたの妹見栄っ張りだから、つけてみんなに見せて自慢して回ってるかもね」
「どういう意味よ」
「私、あんたの実家の住所しか知らなかったから、あんたの実家に、娘さんに世話になっているお礼です。いらなくなったネックレスをお送りしますと送っておいたから」
「うちに、送った?」
「だって、そっちの今の住所知らないから、直接送り返せなかったから、学生のころから知ってる御実家に送らせてもらったの」
「な、なにやってるの!」
「あなたの家族、あなたに似て、みんな強欲だから、あのネックレスの取り合いしてたりして。手にした持ち主が不幸になるとも、知らずに」
「やってくれるわね、覚えてなさい」
「私に怒るより、早くこの電話切って実家に連絡したら。私の彼は大けがで済んだけど、あんたの家族は、どうなるかしらね」

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