美しい死
「月明かりの下で死ねるなんて、最高に美しい死に方だとは思わない」
「知るか、死ぬなら、一人で死んでくれ」
「いやよ、愛する二人が、永遠に結ばれるために心中するのがいいんじゃない」
「俺は、お前なんか愛していない。本当にいかれてやがるな、お前」
「あら、このまま無駄に生きてボケて死ぬより、若い今のうちに死んだ方が美しくない?」
「知るか、俺は、まだ死にたくない」
「見苦しいわね、しょうがないわね、いますぐ奇麗に殺してあげる」
「ふざけるな、や、やめろ」
「ふざけてないわ、私は真剣よ、だから、潔く、美しく死んで」