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懺悔の空

素晴らしい芸術作品は人の心を動かすものである。
彼は、有名画家に弟子入りしその才能を開花させたが、彼の才能に嫉妬した師匠が、彼の絵を評価しなように知り合いの評論家や画商に圧力をかけた。絵の価値は、評論家や画商の鑑定次第である。鑑定士が、価値がないと言えば、その絵はクズとして扱われる。
だから、評論家の低評価を受けた彼の絵は、全然売れず、画業に失望しつつ没した。
だが、彼の残した最後の遺作「懺悔の空」は遺族の働きで展覧会に出品され、見る者の心を動かし、それを見た者の後悔や懺悔の感情を呼び覚まし、彼の絵を酷評した評論家と師匠も、その絵の前で涙し彼にした所業を大声で白状した。

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