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親殺し

両親を殺したというのに、彼女は後悔も懺悔もなかった。
「あの二人は、結婚前に人の良い女友達をいい儲け話があると騙して、借金を背負わせて、その金は自分たちの豪遊資金に当ててトンずらしたの。多額の借金を背負ったその女は友達に裏切られたショックと借金取りから逃れるため、人里離れた場所で自殺したの。まさか、転生して、あの二人の子供に生まれ変わるなんて思いも知らずにね」
そして、彼女の自供通り、山奥で、白骨化した遺体が見つかったが、現在の法では、前世の記憶は情状酌量の材料にはならず、彼女は実の両親を殺した残酷な殺人犯として刑に服した。
で,刑期を終えて、パートとして細々と働いていたある日、ランドセルを背負った幼女に襲われた。たぶん自宅から持ち出したであろう包丁でパート帰りの彼女を刺そうと襲ってきたのだ。いくら凶器を持っているとはいえ、相手は子供である。すぐに捕まえて、彼女はにやりと笑った。
「お母さん、せっかく転生して復讐するなら、私みたいに、身体がある程度大きくなるまで我慢しないと」

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