しつこい
「おやすみ、おやすみ、おやすみ、おやすみ、おやすみ、おやすみ、おやすみ、おやすみ・・・」
「しつこい」
「お前が死ぬまでやめない」
「何言ってるんだ、だいたいお前誰だ」
「知らないふりしてごまかすつもりか」
「本当に、俺はお前の顔なんて見たことないし、人違いじゃないか」
「下手な誤魔化しを」
「俺は、木戸裕也って言うんだが、お前は」
「き、木戸・・・」
「なんだその顔は、やっぱり、化けて出る相手を間違えたな」
「そんなはずは、ここは確かにあいつのアパートだし・・・」
「事故物件だとかで俺が安く借りてる。半年ほど前からだ、その前の住人がどうなったかは知らん。業者がきれいに掃除したと不動産屋はいってたし」
「・・・じゃ、今夜はどうも失礼しました。おやすみなさい」
「さすが、家賃が安いだけあるぜ。おもろい部屋だ」