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断末魔

「死の直前の声が聞こえるってなにそれ」
「ネットの掲示板で噂になっててさ、古いラジオを深夜一時につけて適当にチューニングを合わせていると、死者の死の直前の声が聞こえるって話だよ」
「なに、それ」
「お前、妹の里美ちゃんが死んだばかりだから、もしかしたら里美ちゃんの声が聞けるかもしれないぜ」
「やめてよ、そういうオカルト興味ないんだけど」
「いいから、試すだけならタダだからいいだろ」
「ざざ・・・・、ざざざ・・お、お姉ちゃん・・・」
「お、なんか入った」
「ざざ、お姉ちゃん、やだ、や、やめて、苦しい、やだ、死んじゃうよ、いやぁぁぁ・・・」
「この声、里美ちゃん、マジか」
「ざざざ・・・、ざざざ・・」
「ち、駄目か、もう、聞こえねぇ」
「あんた、今の聞いたわね」
「あ、なんだよ、怖い顔しやがって」
「聞かれたら、あんたにも死んでもらうしかないじゃない」
「あ、なに、うぁぁぁぁ、お前、ばか、やめろ、やめろって、うぁぁぁ」
「なんだ、この声」
「これが例の死者の断末魔ってヤツなの?」
「らしいな、ラジオの雑音みたいだが」
「意味不明ね」
「ああ、そうだ。悲鳴にも聞こえるけど、これだけじゃ、ただの雑音と変わらない」
「こんなのより、いいことしよ。明日、仕事休みなんでしょ」
「ああ・・・、ラジオ切るよ」

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