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化け猫

「化け猫って知ってる?」
「ん? 長生きした猫が妖怪になるっていうあれか」
「そう、それと、久美子っていう女」
「久美子!?」
「そう、男に貢いで金が足りなくて勤めてた会社の金に手を出してそれが発覚して辞めさせられて水商売に転落して、それだけ尽くしても男に捨てられて自殺した馬鹿なご主人様」
「お前、久美子の知り合いか?」
「だからご主人様って言ってるでしょ、あたしはあの人に飼われていたメス猫」
「メス猫だと、じゃ、お、お前、人間に化けた化け猫」
「大正解」
「この俺を殺しに来たのか」
「うわ、危ない、いきなりナイフを持ち出すなんて、おとなしく罪の意識を感じて殺される気はないってこと?」
「当り前だろ、誰が、そう簡単にやられるかよ」
「良かった、思った通りのクズで、遠慮なく殺せる」
「うわぁぁぁ、アッ!」

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