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傘が生きてる

そいつは蝙蝠のような羽を閉じると、まるで傘そっくりだった。しかも、柄の部分が尾で、人間がその部分をつかむとぐるりと手に巻き付き、バッと羽を広げて人間を掴んだまま空に舞い上がり、邪魔されない自分の巣まで人間を連れて行くとそこで、人間を食らっていた。
最初は、みんな、そんな生物いるわけないと思っていた。俺もその一人だったが、たまたま持っていたカッターナイフで反撃して撃退し、ホッとして、空を見上げると、雨雲を背景に、さまざまな色の傘が、人間をぶら下げて空を舞っていた。

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