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暗闇

「お、おい、何も見えないぞ。こ、ここは、どこだ?」
「あら、麻酔が切れたの? 大丈夫、ここは私の部屋よ」
「そ、その声、真紀子か? な、なんでお前の部屋に、なんで、何も見えないんだ」
「だって、眼球取り除いちゃったんですもの。何も見えるわけないわ」
「なに?」
「大丈夫、知ってるでしょ、わたし高学歴の女医だって。俺の彼女、女医だって友達に自慢してたでしょ? 奇麗に取り除いたから壊死の心配はないわ」
「おいおい、眼球取り除いたって、なんの冗談だ、て、おい、どこにいるんだ」
「ここに、そばにいるわよ」
「畜生、ふざけるな、俺の目を元に戻せ」
「あらあら、暴れない、倒れても知らないから」
「ん? なんだ、立てない? お、おい、俺の手足はどうした?」
「もちろん、目と一緒に。手足も切除したわ。これであなたは、浮気できない。だるまさんのあなたを愛せるのは、この私だけよ」
「な、なに、言って、俺の身体を元に戻せ!」
「嫌よ、元に戻したら、あなた浮気するでしょ、それは、もう絶対に許さない」
「!!」

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