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余命アプリ

余命アプリという奇妙なものが私たちの周りで流行っていた。そのアプリを使って撮影すると撮られた人物のオーラを測定して、画像に色がつきその色合いで余命がわかるという代物だった。誰もが最初は、そんな馬鹿なと思っていたが、その余命アプリで診断された通り、余命わずかと診断されて実際に病気が発覚して早死にする友達が出て来ると、だんだんみな信じるようになり、あるとき、わりと遊び好きでそのせいで周りに迷惑をかけることの多い友人が、そのアプリで自撮りしたらしく、「なんで、あたしが死ぬのよ」と大声で急に騒ぎ出した。
確かに、肌の色つやはいいし、健康そうだったが、そのアプリで写した彼女の画像はもうすぐ死ぬというレッドを示す真っ赤に染まっていた。
「おいおい、おちつけよ、ただのアプリだろ」
子供の顔に加工したり、画像を面白おかしく加工するアプリと同類と思っている男友達が、そう彼女を慰めていたが、彼女の派手好きにうんざりしていた他の女友達は、ざまぁざみろと内心で舌を出している子ばかりだった。だが、そうやって内心で嘲笑っていられたのもわずかで、気が付くとそのアプリで撮ると誰もが真っ赤に映り、数日後、大きな地震に私たちは襲われた。

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