呪殺
「このカメラの秘密?」
「同業者だから知りたい? 普通、同業者だから教えられないと思うけど」
「はいはい、分かった。日本にカメラが入って来たばかりの昔は、写真に撮られると魂を取られると思われてたそうよ。で、実際にこのカメラは呪殺の秘術が施してあって、これで撮られるとどんな相手でも死んじゃうの」
「どう? 呪殺なんて、陰陽師もろくにいない現在の法律で裁けると思う」
「その通り、呪殺の証拠なんて、現代の警察に見つけられるわけがない」
「は? あんたも呪殺で殺しを請け負うって? 相手の髪さえあればそれで十分って、なかなかの凄腕じゃない。なに、その手に持ってる黒い髪、まさか、あたしの・・・」