夢
私は夢を見た。
夢の中で私はご主人と遊んでいた。
どうやら夢の内容はまだうどんがうちに来る前のことみたいだ。
ご主人は小さい釣り竿のようなものを持っている。
その先端にはネズミのおもちゃが取り付けてあって、ご主人がそれを振るのに合わせて私はネズミを追って体を動かす。
楽しい。
私がジャンプしてネズミをぶん殴ると、ご主人は
「わわ、すごい身体能力だ。ひじきは偉いねぇ」
と言って私を撫でてくれるのだ。
すると私はゴロゴロと喉を鳴らして目を細める。
ご主人は撫でるのが上手なのだ。
私は尻尾の付け根あたりを撫でられるのが好きだった。
あと顎の下をさすられるのもお気に入り。
そうされると、ついうっとりとしてしまう。
そんな私を見てご主人は微笑むのだ。
「猫だ。君は猫だねぇ。いつ見ても猫。ほんと猫。猫だわぁ」
褒められてるのかよく分からないが、そのご主人の優しい声が好きだった。
私は幸せな夢に沈み込んでいった。