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第三話††クリスマスデート

さて、涼音と付き合い出したのが十二月の初め。

そして、今日はクリスマスイブ。

「《今日、デートに行かない?》」

終業式だったから私はとっくに帰って来ている。

「《仕事は? 今日は忙しいんじゃないの?》」

付き合いだしてからプライベートでは
タメ口と呼び捨てで話すようになった。

「《大丈夫だよ、って言っても
夜八時頃になっちゃうけどね(苦笑)》」

茜も笠巻君とデートの約束してるって言ってたし、
お母さん達は今日も遅いだろう。

「《行く♡♡待ち合わせは駅にしよう*♬೨》」

家まで来てもらうとご近所から両親に伝わる可能性がある。

それは避けたい。

♬✧*。♬*.+゜♬✧*。♬*.+゜♬✧*。

「お姉ちゃん」

涼音とメールしていると茜が部屋に来た。

「どうしたの?」

「洋服、選んで欲しくて」

そういうこと♬*゜

「わかった」

茜の服を選んであげて私もデート用の服を選んだ。

「茜は何処で待ち合わせしてるの?」

私と涼音は駅前。

「◆◆公園」

あそこね。

「じゃあ、途中まで一緒に行かない?

私は駅で待ち合わせだから」

茜達が待ち合わせしている公園は
駅に行く途中にある。

「うん*♬೨

公園まで手繋いでもいい?」

珍しいなぁ。

「いいよ、久しぶりに手、繋ごう」

何年ぶりだろう、こうして茜と手を繋ぐのは……

すれ違って行く人々。

中には人に化けているのもいるけど。

「着いたよ。 私は行くから笠巻君によろしくね」

公園の入り口で別れ、駅に向かった。

♬✧*。♬*.+゜♬✧*。♬*.+゜♬✧*。

駅に着いて直ぐに見つけた。

「涼音」

喧騒の中、少し大きな声で呼んだ。

「蛍」

こういう時、つくづく私服でよかったと思う。

涼音の車に乗りドライブへ。

家に着いたのは十時。

「親御さん大丈夫か?」

人間界では教師だもんね(苦笑)

「大丈夫だよ、帰ってくるのは夜中だから」

茜は帰って来たかな?

「じゃぁね。 また、電話かメールするよ」

涼音の車から降りて玄関の鍵を開けた。

「あぁ、温かくして寝ろよな」

寒いから心配してくれてるんだね。

「うん、涼音も風邪引かないようにね」

冬休み中は会えないだろうからね。

「わかってるよ。じゃぁ、お休み」

涼音を見送ってから家の中に入った。

まぁ、短い冬休みの間には案の定、会えなかった。

まさか、冬休み明けに新たな
“天使”が来るとは
想像もしていなかったけど(苦笑)

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