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第十八話☆再会

よく考えたら那々弥さんと出会って一年が経ち
栞菜ちゃんも一歳になっていた。

月日が経つのは本当に早い。

一人で此処一年の回想に耽っているとチャイムが鳴った。

そうだ、今日は絢菜と瀬戸君が来ることになってたんだった。

回想から現実に引き戻された私が見たのは
マー君が解除ボタンを押したところだった。

『絢菜、瀬戸君、久しぶりだね』

入って入ってと二人を中に入れると絢菜のツッコミが飛んできた。

「ちょっと華蓮、あたしも"瀬戸"なんだけど」

腰に手を当てて頬を膨らまして言った。

『ごめんごめん』

そうだった、つい癖で呼んじゃった。

「分かればよろしい」

偉そうに言う絢菜を見て瀬戸君改め侠耶君が笑った。

『とりあえずリビングへどうぞ』

二人が座ったのを確認して私はキッチンへ。

「華蓮ん家久々に来たけど変わってないわね」

あんまり模様替えしないからなぁ。

『まぁね』

「絢は来たことあるの?」

仲良さそうでよかった。

「高校時代に一度だけね」

全然知らなかったと拗ねる侠耶君は
高校時代のクールさが微塵も感じられない。

『仲良さげだな』

私と絢菜には紅茶、侠耶君とマー君はコーヒー。

『はい絢菜』

サンキューと言って受け取る。

『侠耶君も』

コーヒーを渡すと高校時代の時の様な王子様スマイルで返された。

「ありがとう」

成る程、高校時代に人気なのがよくわかたった。

皆で話しているとふいにチャイムが鳴った。

『誰だろう?』

今日は絢菜たち以外来客の予定はなかったはず……

『はーい』

絢菜たちをマー君に任せてインターフォンを除くと
そこに映ってたのは恋と左京先生。

出ないのも可笑しいからとりあえず、返事をする。

『どうしたの?』

ポケットから携帯を取り出し開いてみるが
二人からの着信やメールは来てなかった。

「いきなりごめんね」

二人の話しだと近くを通ったから寄ったらしい。

『華蓮?』

中々戻って来ない私の隣にマー君が来た。

『恋たちが来たんだけどどうしよっか?』

今は絢菜と侠耶君が来てるから断ることは出来る。

『入れてやれば』

マー君は普通のトーンで何でもないことの様に言ってのけた……

『藤沢、瀬戸
人数増えるんだが大丈夫か?』

絢菜を旧姓で呼んだ。

「誰か来たの?」

専門時代の友人と先生だと
教えると会いたいと絢菜が言うから
何時もの様にロックを解除した。

『いらっしゃい、実は先客が居るんだ』

二人をリビングに通した。

「こんにちは」

最初に挨拶したのは恋と左京先生だった。

先に来てた二人も慌てて挨拶する。

高校時代の友人だと紹介して私たちは座った。

四人はすぐに仲良くなった。

絢菜と侠耶君は高校時代の話しを
恋と左京先生は専門時代の話しをした。

「まさか、南さんと佐川先生が
結婚してたなんて全然知らなかった」

侠耶君はクラスが違ってたからね。

「南?」

さっきのマー君が絢菜を旧姓で
呼んだ様に侠耶君も私を旧姓で呼んだ。

二人が不思議そうに私を見た。

『私の旧姓だよ』

そう言うとあぁ~と納得した。

『そうだ、ちょっと待ってて』

私は冷蔵庫からホールケーキを出した。

『はい、絢菜と侠耶君に』

結婚祝いだよと二人の前に置いた。

「これ、南さんが作ったの?」

やっぱり旧姓……

『昨日の夜に急いで作ったんだよ
それから侠耶君、名前でいいよ』

さっきマー君が絢菜を旧姓で呼んだ時
眉間にシワが寄っていたのを私は見逃さなかった。

「華蓮、ありがとう」

喜んでもらえてよかった。

ケーキと一緒に持って来たお皿に切り分けて乗せていく。

『はい、どうぞ』

その後、夕飯を食べて皆が泊まることになり久々に朝まで話した。

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