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第十六話☆ご対面

予てから会う予定だった
左京先生のご両親に会う日がとうとうやって来た。

恋の話しだとお二人の出会いは私たちと同じとのこと。

そして今、私たちは左京先生の実家へと向かっている途中だ。

『この道を真っ直ぐでいいんだよな?』

左京先生が渡してくれた実家への地図は何とも簡易だった。

『多分、いいんだと思う』

近くまで行くとそこには、私たちを待ってたのか
左京先生と恋が立っていた。

「おはよう」

恋が車の近くまで走り寄って来たから
窓を開けて、おはようと返した。

「そこの角を曲がったらすぐだよ」

こっちこっちと私たちを誘導して此処だよと言われ
着いた先にあったのは三階建ての一軒家だった。

駐車場に車を入れさせてもらい中に入った。

『お邪魔します』

脱いだ靴を揃え左京先生の後を着いて行った。

リビングに通されご対面。

『初めまして、佐川匡輝です、
隣に居るのが妻の華蓮です』

二人でお辞儀した。

写真で見るよりもお若い。

黙ってれば三十代前半か下手したら、
二十代後半と言われても納得出来そうだ。

「二人も教師と生徒だったんだって?」

答えたのはマー君。

『はい』

ニコニコしながらお父様が聴いて来た。

『告白したのは私の方なんですがお二人はどちらから?』

気になったから思い切って訊いてみた。

「私からよ」

私と一緒なんだ……

「そんな所に立ってないで座って」

勧められたのでもう一度
お辞儀してから椅子に座った。

「華蓮ちゃんと匡輝君って呼んでいいかしら?」

「うふふ」と笑って
一緒ねぇと私の手を掴んだ。

そこからは、何故か話しが弾んだ。

お母様は直接お父様に告げたらしい。

歳の差は十五歳。

隣を見るとマー君とお父様も楽しそうに話して居た。

「四人共、話しに夢中なのはいいけど少し休憩したら?」

左京先生に声を掛けられ
腕時計を見ると一時間経っていた。

楽しい話しをしていると時間が経つのも早い。

「お昼ご飯、食べてってね」

お誘いを断る理由はないからお言葉に甘えた。

結局、お昼ご飯だけじゃなく夕飯もご馳走になって
遅いからと今日は帰ることになった。

『お邪魔しました』

最初と同じ様にお辞儀をし、まだ居ると言った
左京先生と恋に手を振り、私たちは帰路に着いた。

『今日は楽しかったね』

帰り道での会話。

『そうだな』

「またいらっしゃい」と言ってもらったから
マー君や恋たちの休みが重なったらお邪魔しよと思う。

その時は、六人で話せたらいいな……

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