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第ニ話☆過去(むかし)の話&現在(いま)の話

マー君と結婚したのは
去年のクリスマスだった。

私の誕生日は八月十日。

四月に一目ぼれして、
授業が始まって、英語担当がマー君だった。

それからは、英語の授業は
寝ずに聞き、テストも
平均点以上取るようにした。

分からない所があれば、英語教官室まで
行って聞いたりと、先生に積極的に近づく事をしていた。

高校生活にも慣れてきたある六月中頃、
(一目ぼれをして二ヶ月)
告白する事にした。

〈この頃はまだ佐川先生だけど……〉

ある放課後、英語教官室の
机の上に手紙を置いて、呼び出した。

『この手紙、くれたの、君だよね?』

『確か、一年二組の南華蓮さんだっけ?』

『はい、二組の南華蓮です』

〈覚えててくれた〉

『私、先生の事が
好きなんです。
付き合ってください』

〈きっと、
断られるんだろなぁ。
一年だし、生徒だし……〉

周りをキョロキョロと見て、
誰も居ない事を
確認した後
私にこう言った

『俺なんかでいいの?』

予想外の言葉に
一瞬思考が止まった。

『それは、
私と付き合って
くれるって事ですか!?』

『う、うん……
俺なんかでいいなら』

『嬉しいです
これからヨロシク
お願いします』

『こっちこそ、
ヨロシクね。』

こぉして、
私達は付き合い
出したたのだが、
問題が山積みだった……

学校にバレてはいけない。

しかも、表立って
デートなんて出来ないし……

ある意味、
付き合いだす前より
会うのが
困難になる気がする。

それでも、
嬉しかった。

付き合えるように
なった事が。

それから、何も無く
無事に一年が
過ぎようとしていた
二年の六月。

私達の関係に
一番最初に気づいたのは、
以外にも国語担当で
新任教師の私の実の姉。
浅葱麻柚夏だった。

マー君と
付き合いだして
一年くらいたった頃、
話があるからと
国語教官室に呼ばれた。

「ねぇ華蓮、
英語担当の
佐川先生と
付き合ってるの?」

突然聞かれて私は驚いた。

まさかお姉ちゃんが
気づいて居たなんて……

私は黙ったままだった。

それはイエスの意味。

『お姉ちゃんは、
反対なの?
佐川先生と
付き合ってる事』

「別に
反対なんてしないわ」

「華蓮が
好きになった人だし、
佐川先生は、
評判も良いしね。」

「でも、教師と
付き合うって事は
それなりの
覚悟が居るわよ?」

『分かってるよ。
例え周りに非難
されようと、
いじめられようと
私は負けない』

『先生の事が
大好きだから』

「そっか、でも
お父さん達には、
まだ、言わない方が
良いかもね」

『そぉだよね。
先生と付き合ってる
なんて言えないもん……』

「お母さんは、そこまで
言わなさそうだけど、
お父さんがねぇ……」

『お姉ちゃんもそう思う?』

「うん」

『やっぱそぉだよね……
どぉしよう……』

「まぁ、
何かあったら言いな。
あたしは何時でも、
華蓮と佐川先生の
味方だから」

『ありがと。
本当に何か
あった時は相談するね』

その日はそのまま、
国語教官室を出て帰った。

そんな話から、
早一ヶ月、夏休みも
終盤になっていた。

夏休みは、
家族で海に行ったり、
温泉に行ったりと
色々と過ごしていた。

友達と映画館に
行ったりもした。

先生とメールもしていた……

〈さすがに電話は
無理だったけど〉

私は早く夏休みが
終わらないかと
待ち遠しかった。

先生に会えるから。

すれ違うだけで、
嬉しかった。

帰りに
『気をつけて帰れよ』
とその一言が嬉しかった。

そんな、幸せも
続かないもので、
期末テストも終わり、
もうすぐ冬休みに
入ろうとしていた
十一月の終わり頃
とうとうこの日が
来てしまった。

私と先生は、
理事長室に呼ばれた。

コンコン

「どうぞ」

『失礼します』

中に入ると先生は
もうそこに居た。

私を自分の
隣に来させた。

「率直に聞くが
二人は
付き合ってるのかね?」

『あぁ付き合ってるよ』

先生が答えた。

私は次に言われる
言葉が怖くて、
ずっと俯いたままだった……

「二人は付き合って
どれくらいかね?」

『一年と五ヶ月』

ここで初めて
私が口を開いた

『あ、あの、何故
そんな事を
お聞きになるんですか?』

「もしかして、私が
君達に別れろって
言うと思ったのかね?」

『は、はい……』

「バカ息子にやっと
恋人ができたんだ」
そんな事を言わないよ」

「いくら見合い写真を
見せても断ってばかりで
心配していたんだが
君のような可愛らしい
恋人が居るなら
私は嬉しいよ」

ん? バカ息子?

『せ、先生って、
理事長先生の
息子なんですか!?』

『うん、そぉだよ』

ビックリだ……

「華蓮さんと言ったかな?」

『は、はい』

「そんな、硬く
ならなくて平気だよ」

「悠緋と呼んでくれると
嬉しいのだけどね?」

『いいんんですか?
私が名前でお呼びしても』

「うん、大歓迎」

『ありがとうございます』

『私まだ、両親に
話してないんです。
彼と付き合ってる事……』

『それと、一人だけ
私達の関係に
気づいてる人が居ます』

『え……誰?』

『国語担当の
浅葱麻柚夏先生です』

『浅葱先生……
いえ麻柚ちゃんは
私の実の姉なんです』

『お姉さん!?』

『はい
言ってなくて
ごめんなさい……』

『ぅゎぁ……
苗字が違うから
全然気づかなかったよ』

「浅葱先生に
バレたのは何時かね?」

『夏休みに入る
少し前です』

『麻柚ちゃんは、
私達の事を
応援してくれると
言ってくれました』

「そうか、
いいお姉さんを持ったね、
華蓮ちゃん」

『はい』

「所で二人は
結婚する気はあるかね?」

『け、結婚ですか!?』

いきなり、悠緋さんが
言い出したので
驚いてしてしまった。

先生も驚いているようだ

『親父、いきなり何を
言い出すんだよ』

『華蓮は、まだ、
高二だぞ!!!』

『後一年
学校があるだろ……』

「別に、結婚してたって
学校は通えるぞ」

そんなさらりと
凄い事を……

「華蓮さんのご両親には、
私と息子の二人で
ご挨拶に伺うという事で」

『だから、そういう
問題じゃないだろ!?
このアホ親父!!』

「華蓮さんどぉかね?」

『あ、あの……先生は、
私でいいんですか?』

『華蓮?』

『私、結婚したいです』

悠緋さんの目を
見てはっきりと答えた。

「華蓮さんは、お前と
結婚したいそうだけど」

『華蓮
本当にいいのか?』

『はい』

「ずっと気に
なっていたんだが、
華蓮さんは息子の事を
普段何て
呼んでるのかね?」

『え、えと。マー君て
呼んでます……』

恥ずかし過ぎて、
また俯いてしまった。

そんな俯いている
私の耳に悠緋さんの
笑い声が聞こえてきた。

「あはは~
マー君か、
それは良い」

「ぷっ。
笑いが止まらない」

『親父、笑うなよ』

「私もこれから
そう呼ぼうかね」

『やめてくれ……
親父にそんな呼ばれ方
したら気色悪い』

「冗談だよ、
私だってお前の事を
そんな風に呼びたくない」

『くすくす
お二人は仲が
良いんですね』

『何処がだ?』

『そやって
言い合える所ですよ』

『華蓮、それは
仲が良いのとは
少し違うんじゃないか?』

「まぁ良いじゃないか。
仲が悪いと
思われるよりは」

『それもそぉだな』

「では、冬休み中に
華蓮さんのお宅に
ご挨拶に伺うからヨロシクね」

『はい、分かりました』

「私の話は以上だ」

「華蓮さん
お話ができて
嬉しかったよ」

『私も、嬉しかったです』

お辞儀をして、
理事長室を二人で出た。

帰りの車の中で、
先生……マー君と
今後の話しをした。

理事長室を
出てしまえば
普段のように話す。

タメ語でマー君と呼ぶ。

『ねぇマー君。
悠緋さんって
面白い人だね』

『そぉか?
まぁ反対
されなかったのは
良かったけどな』

『私もあんな
あっさりと結婚話
されるとは
思ってなかったし……』

『たまに親父のする事が
分からなくなるんだよな』

『あはは
そぉなんだ』

『ところで、
何時家に来るの?』

『悠緋さんも
忙しいでしょ?』

『華蓮は何時頃平気?
親父は何とかするだろ』

『う~ん
マー君と悠緋さんに
合わせるよ』

『両親には先生が
家に来るからって
言っとくし』

『わかった。
日程が決まったら、
電話するから。』

話している
内に家に着いてしまった。

『今日はありがとうね
悠緋さんにも
ありがとございました
って言っといて』

『こっちこそありがとな
親父には伝えとくよ
また連絡する』

『うん、バイバイ』

あの日から三日、
マー君から電話が来た

二人が来るのは、
来週の金曜日らしい。

『お父さん、お母さん、
来週の金曜日の夜
空けといて
ほしいんだけど平気?』

「急にどぉしたの?
何かあるの?」

『う、うん。
担任の先生と
理事長先生が
家に来るって
言ってたから……』

「そぉ
じゃぁ空けとくわ
お父さんも良いでしょ?」

「あぁ、分かった」

ついにやってきた
金曜日の夜。

ピンポン

チャイムが鳴った。

『は~い』

『俺だ』

ガチャ。

『こんばんわ
先生、悠緋さん、いらしゃい』

「華蓮ちゃん
こんばんわ。
ご両親は居る?」

『はい
リビングに居ます。
ご案内するんで、
どうぞどうぞ、
こっちです』

「どうもこんばんわ
華蓮さんの高校の
理事長で佐川悠緋です」

『担任の佐川匡輝です』

二人が両親に挨拶をした

「ご丁寧にどうも」

「それで、理事長先生と
担任の先生が
何故此処に?」

「華蓮が何か
したんでしょうか?」

普通はそう思うよね。

「いえいえ
今日は家の息子と
華蓮さんの事で
お伺いさせて
もらたんですよ」

「え? 理事長先生と
担任の先生は
親子なんですか!?」

「はい。親子です」

「それで、息子さんと
華蓮の事とは?」

「華蓮さん。
私達が来る前に
言わなかったんですね」

『ご、ごめんなさい
その……一人だと
中々言えなくて』

「謝らなくても大丈夫だよ」

〈悠緋さん、優しいな〉

『ありがとうございます』

「実はですね、息子と
華蓮さんは
付き合ってるんですよ」

その言葉に両親は
びっくりしていた。

まさに開いた口が
塞がらない状態。

「り、理事長先生
今何と
おっしゃいました?」

「ですから、華蓮さんと
息子がお付き合い
させて頂いていると
言ったんです」

「華蓮、本当なの?
先生とお付き合い
してるって……」

『本当だよ
その話をするために
理事長先生も佐川先生も
此処に来たんだもん……』

何か悪い事を
しているみたいな気分だ。

「華蓮ちゃん、
理事長先生は
やめてって
言ったでしょう?」

『あ……悠緋さん
ごめんなさい』

理事長先生って
呼んじゃった……

「よくできました」

そぉ言って
私の頭を撫でた。

その後、
悠緋さんは
話しを戻した。

そして、先生に
話を振った。

「匡輝。これは私から
言う事じゃない
お前の問題だ」

『わかってるさ』

『華蓮のお父さん、
お母さん華蓮さんと
結婚させてください』

マー君頭を下げている。

『お父さん、お母さん、
彼の事、大好きなの。
だから結婚
させてください』

『お願い』

私も頭を下げた。

両親に向かって
頭を下げるなんて
初めてかもしれない……

こんな時麻柚ちゃんが
居てくれたらと思う。

そして、ずっと
黙り込んでた
お父さんが口を開いた。

「華蓮、お前は本当に
その男が好きなのか?」

その言葉で私が
顔を上げた。

『もちろん。
付き合ってた事を
黙ってたのは
悪いと思ってる
けど、私はもぉこの人
意外と結婚する気はない』

『一年五ヶ月。
それが私達が
付き合ってきた年月。』

『彼はちゃんとこうして、
此処までお父さん達に
挨拶に来てくれた』

『理事長……
悠緋さんだって、
ちゃんと親として
此処に来てくれた』

私は必死で
お父さんに訴えかけた。
どれだけマー君の事が
好きなのか。

それでも黙ったままの
お父さん。

嫌な沈黙が続く……

そんな沈黙を破ったのは、
以外にもお母さんだった。

「お父さん。
私は良いと思いますよ」

「華蓮が選らんだ人だし、
彼の目を見ればどれだけ
良くしてもらってるか
すぐ分かるわ」

『お母さん……』

「ところで、
理事長先生は、
二人の結婚を
許しているから、
今日此処
来られたんですよね?」

「はい
と言うか二人に結婚を
勧めたのは私なんです」

「そぉですか……」

「私は反対しません」

〈お母さん……〉

「お父さんも、
何か言ったらどうですか」

「こんな半端者の娘で
良ければ……」

『お父さん
ありがとう』

「悠緋さんも
ありがとうございます」

『マー君
やったね。』

マー君におもいっきり
抱きついた。

『あぁ
そぉだな』

『華蓮のお父さん、
お母さん、
ありがとうございます』

「娘を幸せに
してやってくれ」

『勿論です
華蓮は俺が
一生幸せにします』

こぉして、
私達は
結婚する事が出来た。

そして、
あの話合いの一ヶ月後。
(十二月二十五日)

この日は
終業式だった事もあり、
午前中で終わりだった為
市役所に婚姻届を
出しに来た。

そして、この日から私は
マー君のマンションで
暮らす事になった。

二人で暮らせるのは
良いのだけれど
此処だからと
学校が少し遠かった。

マー君は車なのですぐ着く。

私はと言うと
自転車で行かなければ
ならない……
歩いたら三十分は掛かる

『マー君、
今日から夫婦だね』

『そぉだな
華蓮、これからヨロシクな』

『私の方こそヨロシクね』

〈何だか緊張するかも〉

『マー君、ありがとうね
私と結婚してくれて』

『後一年
頑張って卒業しなきゃね』

『そぉだな
華蓮は行きたい
大学とか専門とか
あるのか?』

『う~ん
まだ決めてない。
来年には進路希望
書かなきゃだし……
どぉしよう』

『まぁそんなに
急がなくても平気だよ』

『どぉしても行きたい
学校がなけりゃ、
専業主婦になれば
いいんだしな』

〈悪戯っ子みたい〉

『華蓮は今日から
俺の奥さんなんだから』

『そぉだねマー君と
結婚できて本当に嬉しい』

『でも学校では、
佐川先生って
呼ばなきゃだよね……』

『だな。
俺も南って
呼ばなきゃだし……』

『何か結婚したのに
旧姓で奥さんの事
呼ぶって変な感じだな』

〈それもあるけど、
少し寂しい気もする〉

『確かに微妙だよね』

『あ!!
学校って言えば
此処からだと
チャリ通だよね』

『皆に
怪しまれないかなぁ』

〈心配だよ〉

『そぉか
此処から歩くと
三十分は掛かるもんな』

本当に冬休み明け
どぉしよう……

『学校は
八時半までだから、
早く出て歩くか?』

『そぉしようかな
いきなりチャリ行ったら
皆変に思うだろうし』

『分かった
六時半には
起きないとだな』

『朝ご飯も
作らなきゃだし』

〈忙しくなるなぁ〉

『それぐらい俺がやるよ』

〈マー君のご飯は
食べたいけど、
平日の朝からは
作らせられないよ〉

『良いよ
一緒に暮らし
だしたんだし、
私がやるよ』

『お弁当も作るね』

〈毎日、コンビニじゃ
栄養バランス悪いもん〉

『本当か!? 悪いな』

『奥さんに遠慮して
どぉするのよ』

『それもそぉだな』

これで、冬休み明けは
大丈夫だよね。

短い冬休みが終わり、
マー君と話してた通り
六時半に起き朝ごはんと
マー君のお弁当を作って、
早目に家を出た。

こうして、
結婚生活が始まり、
あれから一年。

私は三年になった。

教室に着くと
絢菜と莉果が居た。

『絢菜、莉果
おはよう』

「華蓮おはよう」

「おはよう」

「ねぇ花蓮、
今日せっかく
午前で終わるんだし
久しぶりにに
カラオケ行かない?」

少し迷ったけど、
行く事にした。

『そぉだね
行こうっか
莉果も行く?』

「うん行く」

『制服のままだと
ヤバいから、
一旦着替えてから行こう』

「そぉだね
普段じゃないから、
駅周辺先生
居そうだもんね」

『じゃぁそぉしよう』

「莉果もそれで良い?」

「うん」

話してるうちに
マー君が入ってきた。

『皆おはよう』

〈私が選んだシャツ
着てくれたんだ〉

『もうすぐ
始業式が始まるから並べ』

体育館に着いて、
周りを見渡すと
皆眠そうだ……

校長先生の話長いなぁ~

私も欠伸をする

べしっ。

頭を叩かれた。

振り向くと、
そこには出席簿を
持ったマー君が居た。

『欠伸するなよ』

『だってぇ……』

『だったらせめて、
見えないようにしろよ』

『ぁ!! そぉだ
今日ね、絢菜と莉果と
三人でカラオケ行ってくるね』

『制服のまま行くのか?』

『違うよ
一旦私服に着替えてから』

〈制服のままじゃ
色々面倒だもんね〉

『何処のカラオケ屋だ?』

『駅前の所だよ』

『なら、
気をつけて行けよ』

〈何で?〉

『あの辺は、
不良が多いからな』

〈そぉなんだ〉

『うん。気をつける』

『心配してくれて
ありがとう』

『大事な奥さんだからな』

〈耳元で囁かれた〉

それだけ言って、
マー君は、先生達の方に
行っちゃった……

不謹慎かもだけど
マー君が心配して
くれる事が凄く嬉しい。

始業式が終わり、
教室に戻った。

『今日は、
これで終わりだが、
明日から授業だからな
忘れ物とか遅刻とかするなよ』

「『はーい』」

始業式は終わった。

一旦皆自分の家に帰り、
私服に着替える。

待ち合わせは、
駅前のファミレス。

時間は、午後一時。

現在の時刻十二時三十分

駅までは、
此処からだと、二十分。

私は急いで家を出た。

(もちろんチャリで)

ファミレスに着いたのは
やっぱり十分前の
十二時五十分。

中に入ると絢菜が居た。

莉果はまだみたいだ。

私は店員さんに
待ち合わせだと言って、
そのまま絢菜の居る
テーブルへ行った。

『絢菜、待った?』

「全然
あたしもさっき
来たとこだよ」

『よかった
莉果遅いね』

〈何時ものことだけど〉

「すぐ来るよ。
莉果って何時も
時間ギリギリで来るじゃん」

『確かにそぉだね』

十二時五十五分
莉果が来た。

「ほらね」
あたしの言った
通りでしょ?」

〈絢菜が
誇らしげに言った〉

『だね』

「莉果~おそ~ぃ」

「ゴメンゴメン」

「まぁいいけどさ」


『じゃぁ、
カラオケに行こう』

私達はぉ会計をして
ファミレスを出た。

マー君の心配は
杞憂となり、何事もなく
カラオケ屋に着いた。

久しぶりに
カラオケに来た私達は
三時間歌う事になった。

歌いながら
色々話をした。

そうだ、絢菜に
聞いて見よう。

『絢菜、
侠耶くんとはどぉなの?』

「ああ~
それがまだ、まともに
話も出来てないんだ」

『そぉなの?
侠耶くんファン
多いもんねぇ』

『下手したら
佐川先生より
ファンの子多いかもね』

「そぉなんだよね……
侠耶くんファンの子が
中々近づけてくれなくて」

『頑張れ絢菜!!
毎日六組に
通ってるんだから
きっと侠耶くんも
気づいてくれるって』

「うん
そぉだね……頑張るよ」

「ねぇ、何の話?」

莉果が横から
割って話に入ってきた。

〈すっかり忘れてた〉

「あぁ、莉果には
話してなかったっけ?」

「ぁたしね
好きな人が
居るんだけど、
その子のファンが
ぁたしや他の女の子を
近づけないように
してるって話」

「へぇそぉなんだ
絢菜も大変だね
応援してるからさ」

めずらしい。
莉果がこんなに
素直なんて……
何かあるのかな?

まぁいっか。

『そぉだよ
私も応援してるからね』

色々話て色んな歌を
歌って、三時間なんて
すぐに過ぎてしまった。

カラオケを出て、
駅に向かった。

莉果は、
学校から三駅。

絢菜は十駅。

ぁたしは実家までは
歩いて十分弱。

今の家は歩いて
三十分強。

でも、絢菜以外には
マー君と住んでることを
隠している。

ばれると色々
面倒な事が起きるから。

ぁ!! そぉだ
土曜の事絢菜と
話したいけど
莉果がいるしなぁ……

絢菜が来るって
言ったら絶対、
自分も行きたいとか
言い出しそう……

絢菜は、まだ私達の
家に来ていない。

そして、高校生活
最後の冬休み。

うーん
どぉしよう……

まぁ絢菜が来るまで
三日あるし、
帰ったらメールしよう。

《土曜日の事なんだけど、
お泊り出きる?
話したい事も
聞きたい事も
いっぱいあるから、
出来ればお泊りして
ほしいんだけど……
ぁ!! でも無理だったら
いいからね。
それだけでごめん↓↓》

送信。

10分後絢菜から
返事が来た。

《お泊りOKだよ↑↑
制服持って行くから、
二日泊まってもいい?》

私はすぐ返信した。

《本当に?
二日も泊まれるの?》

送信。

《うん、
佐川先生にも
二日間お邪魔します
って伝えといてね》

やった↑↑

絢菜の返信を見て
ワクワクして来た。

《分かった。伝えとくね》

送信。

早く土曜日に
ならないかなぁ~

ルンルン気分で
その日の夕飯を作った。

『そぉだマー君
絢菜が二日間
泊まるって』

『そうか、分かった』

今日は土曜日。

『華蓮、
藤沢迎えに行くぞ』

マー君に言われて
携帯を見たら
大分時間が過ぎてた。

『え?もぉ
こんな時間!?』

『華蓮早く』

急いでエプロンを外して

ボサボサだった髪を
直して、携帯だけ
持って既に玄関に居た
マー君のもとへ向かった。

『お待たせ』

二人で玄関を出て
鍵を閉めたのを確認し
駐車場に止めてある
車に乗り、
駅に向かった。

待ち合わせのファミレスに
着いたのは
九時ギリギリだった。

『絢菜ごめん
待った……?』

「大丈夫よ」

良かった……

『じゃぁ、乗って』

休日だから、何処で
誰が見てるか
分からない。

「そぉね、
お邪魔します」

『どぉぞ』

マー君が後ろのドア
開けて言った。

私も助手席に
乗ったのを確認した
マー君が車を
家向かって走らせた。

「本当に迎えに来るとは
思ってなかった」

『酷いな藤沢』

後ろを見ずに
絢菜にそんなことを
言っていた。

「だって、
華蓮だけで
良かったはずなのに、
本当に車で来るんだもん」

親バカならぬ
嫁バカよねと
後ろで絢菜笑っている。

あながち間違ってない
かもしれな。

『到着』

話してる間に
着いたみたいだ。

「凄いマンションね」

『元々はマー君が
一人で住んでたんだよ
因みに部屋は
1005号室だよ』

エレベーターに乗り
10階のボタンを押す。

玄関の前に着いて
鍵を開けた。

『はい、どぉぞ』

「お邪魔します」

車に乗った時と
同じように言う
絢菜は律儀だ。

『改めて、
いらっしゃい』

「佐川先生、華蓮
二日間宜しくね」

『こっちこそ宜しくな』

『絢菜、何飲む?』

「何でいいよ」

じゃぁ紅茶でいっか

『お茶いれて
来るから少し待ってて』

「急がなくていいよ」

『マー君と話してて』

私はキッチンに向かい
紅茶をいれた。

ミルクと砂糖も持って
二人が居る
テーブルに戻った。

『お待たせ』

「この香りは
アールグレーね」

絢菜がカップを持ち、
香りを堪能している。

『ミルクと砂糖、
此処に置いとくから
入れたかったら使って』

ミルクと砂糖が入った
カゴをテーブルの真ん中に
置き、私も座った。

「さてと、二人の
馴れ初めを聴かせ
もらおうかしら」

一体、何から
話せばいいのか……?

そぉ思ってたら
マー君が先に話し出した。

『あれは確か、
華蓮が一年だった時に
手紙をくれたんだ』

「へぇ~」

絢菜が私を見て
ニヤリと笑った。

「華蓮もやるじゃん」

『今から考えると
結構恥ずかしいけどね』

まぁ、それが
きっかけで
付き合えて、更には
結婚出来たんだけど、
やっぱり恥ずかしい……

『俺は嬉しかったよ』

「先生優しいじゃん」

又しても、絢菜が
ニヤニヤと笑った。

『何だよ、その顔は』

マー君が不満げに言った。

「別に~」

しかし絢菜は
楽しそうに
紅茶を啜っていた。

付き合うきっかけは
確かに手紙だけど、
在学中に籍を
入れたのは
悠緋さんの一言だ。

『でもね絢菜、
最初は付き合えたら
いいなくらいにしか
考えてなかったたんだよ』

だって、まさか、
マー君が本当に
付き合ってくれるとは
思ってなかったから……

「じゃあ、
きっかけは?」

尤もな質問だよね。

『親父の一言』

私が答える前に
マー君が言ってしまった……

「理事長先生が
二人に結婚を薦めたの?」

そぉ、悠緋さんの
あの一言がなかったら
私たちは
結婚してなかった。

『理事長室に
呼ばれて、割りと直ぐに
訊かれたんだよ
結婚する気は
あるのかってね』

今度は私が答えた。

「理事長先生面白いね」

『だよね』

会って数十分の私に
結婚する気はあるのかと
聴いた悠緋さんは
確かに面白いかも。

その後、
色んな話しをして
マー君に宿題を
教わったり
絢菜とお風呂に
入ったりと
今日を満喫した。

マー君はお風呂に
入った後、
私たちに
断りをいれて
ビールを
飲み始めたから
二人で私の
部屋へ向かった。

『今日は、
来てくれて
ありがとうね』

何となく嬉しくて
お礼を言うと
間髪いれずに
ツッコまれた

「何よ、改まって
なんか
恥ずかしいじゃない……」

耳を赤くして
そっぽを向いた絢菜は
可愛かった。

明日が休みってことで
日を跨いでも沢山話していた。

次の日、
私は何時もの時間に
目が覚めたから
絢菜を起こさない様に
キッチンへ向かい
朝食の準備を始めるた。

休日だからマー君も
自室でまだ
寝てるんだと思う。

そして、二人が
起きて来たのは
一時間後だった。

「おはよう」

先に来たのは、
絢菜だった。

「あれ? 先生は?」

『マー君なら
まだ寝てると思うよ』

テーブルに料理を
並べながら
絢菜の質問に答える。

「美味しそう」

今日の朝食は和食。

『絢菜の
嫌いな物とか
苦手な物が
分からないから
あったら言ってね』

『おはよう』

眠そうなマー君が
リビングに入って来た。

「おはようございます」

絢菜が敬語……プッ

「マー君おはよう」

エプロンを脱ぎ、
椅子に掛けた。

「今日も朝から
美味そうだな」

マー君がそう言うと、
絢菜はまた冷やかす様な
台詞を言った。

「奥さんが料理上手で
良かったですね」

絢菜はマー君を
弄(いじ)るのが
好きらしい。

『いいだろう、
俺は毎日華蓮の
手料理が
食べられるんだぞ』

勝ち誇った様に
マー君も言い返した。

『まぁまぁ、
二人共とりあえず
座ってご飯食べようよ』

三人分のお箸を
引き出しから出した。

『そうだな』

皆が座ったところで
「いただきます」
と言って食べ始めた。

『美味しいよ』

よかった……

『いっぱい食べてよね』

おかずを
絢菜の方へ寄せた。

「ありがとう」

今日は土曜日だし
どうしよっかなぁ~

『藤沢、どっか
行きたい所あるか?』

卵焼きに
お箸を付けながら
マー君が訊いた。

「先生、
連れてってくれるの?」

『まぁ、
今日は休みだからな』

というわけで
今日はお出かけ決定。

『華蓮も
行きたい所が
あるなら言えよ』

ご飯が終わったら
絢菜と考えよう。

「ごちそうさま」

一番に食べ
終わったのは絢菜で
最後は私だった。

三人分の食器を
洗い終えて、
ソファーに座りながら
何処に行こうかと
二人で話している。

折角、マー君に
連れてってもらうなら
普段行かない様な
所がいいなぁ。

「水族館とかどう?」

成る程、屋内だし
あんまり疲れないもんね。

『いいね、私も
久しぶりに行きたいかも』

『マー君、行き先
決まったよ~』

キッチンでコーヒーを
煎れてたマー君を呼んだ。

『何処行くんだ?』

カップ片手に

こっちに来ながら
訊いた来た。

『水族館』

マー君と付き合って
初めてのデートが
水族館だった。

『何時もの所なら
学校の皆にも
見つからないしね』

「何時の所……?」

あぁ、絢菜には
話してなかったっけ。

『此処から
少し離れた所に
大きな水族館が
あるんだよ』

説明しながら、
支度を始めるマー君。

「へぇ~そうなんだ」

楽しみだなぁと
絢菜が言った。

とにかく、先ずは、
着替えなきゃだよね……
部屋着のままだし。

『絢菜、着替えに行こう』

「そうだね」

部屋行き
着替えてリビングに戻った。

『マー君、お待たせ』

既に、車の鍵を
手に持って準備万端の
マー君が玄関を開けて
待っていた。

エレベーターに乗り、
下まで降りて
マー君の車まで行った。

「水族館なんて
何年振りだろう」

絢菜も久しぶりみたいで
何時もよりも
楽しくなりそだ。

『種類が豊富だから
楽しみにしててよ』

「わかった」

車を
走らせること一時間。

隣町までやって来た。

水族館の駐車場に
車を駐車し、券を買う。

「先生、払うよ」

絢菜は慌てて
お財布を出そうとして
マー君が止めた。

『高校生から
お金を取る気はないぞ』

そう言って、
絢菜に券を渡した。

『奢られときなよ』

何か
言いたそうだったのを
耐えて、絢菜は
お礼を言った。

「先生、ありがとう」

『どういたしまして』

中に入り、順番に回る。

私はマー君と
絢の間に居る。

右隣りに絢菜が
楽しそうでよかった。

全部見終わって
お土産屋さんに入った。

そこで、一番に
目についたのは
大きなイルカのぬいぐるみ。

カワイイ……

値札を見ると
なんと千二百円!!

高い……

まぁ、これだけ
大きければ
それぐらいするか。

今日は諦めよう……
そう思って、
他の物を見に行った。

ストラップなら
三人でお揃いでも
怪しまれないよね……?

誕生石が入った
イルカのストラップを
持ってレジに向かった。

あのぬいぐるみを
マー君と絢菜が
私の為に
買ってくれたとを
私はまだ知らない。

水族館を出て、
お昼を食べに行く
途中の車内での会話。

『絢菜、どうだった?』

私は何回も
行ってるから、
広さも順番も
大体は覚えてる。

「凄く、楽しかったよ
あんなに広い水族館は
初めてだったもん」

いつの間にか
目的地に着いたみたい。

『華蓮、藤沢着いたぞ』

それはやっぱり、
何時もマー君と行く
和食屋さんだった。

『こんにちは』

「いらっしゃい」

店長が
私たちに気づいて
挨拶をしてくれた。

『お久しぶりです』

「今日は三人なんだね」

絢菜を見て、
「初めまして」と
挨拶をした店長。

『親友の絢菜です』

一歩後ろに居た
絢菜の手を引いて
紹介した。

「二人は
よく来るんですか?」

「まぁね、
週に三回は来るよ」

ニコニコしながら
答える店長。

「そうなんだ?」

クルッと私たちの方を
向いて絢菜が訊いた。

『うん』

「立ち話もなんだから
何時もの席にどうぞ」

私たちは
"何時もの"席に
絢菜と一緒に座った。

「はい、
お冷やとメニュー」

『藤沢、好きな物頼めよ』

「やったー」

嬉しそうにメニューを
見ている絢菜。

「あのさ先生……」

『何だ?』

「デザートも頼んでいい?」

言いにくそうに
してたのは
そういうことか。

絢菜カワイイなぁ~

『そんなことか、
好きな物頼めって
言っただろう
食後にデザートも頼め』

「……ありがとう」

悩みが解決した
ところで、私たちは
注文をした。

私たちは何時もの
和食御膳、絢菜は
生姜焼きを頼んだ。

『デザート何がいい?』

メニューを一つだけ
残してもらい、
来るまでの間
絢菜と何がいいか見ている。

お腹いっぱいになり、
再びマンションへ向かう。

「先生、華蓮
今日はありがとう」

家に着き、
リビングで
寛いでいると
不意に絢菜が言った。

『そうだ、藤沢
アレ持って来てくれ』

何だろうか?

「は~い」

返事をすると
何時もは物置に
してる部屋に行った。

そして、すぐに
戻って来た。

手に大きめの
袋を持って……

「はい、華蓮」

え?何?

『開けてみろ』

不思議に思いながら
袋を開けると
そこには、あの時
諦めたイルカの
ぬいぐるみが
入っていた……

「これ……何で?」

私がこれを
見てた時、
二人は違う場所に
居たはずなのに……

「ありがとう」

まさか、二人が
私の欲しかった物に
気付いてたなんて
嬉しい……

「大切にするね」

イルカのぬいぐるみを
抱きしめた。

『華蓮、喜んでくれたな』

「だね」

マー君と絢菜が
パーンとハイタッチした。

二人がくれた
ぬいぐるみを
ソファーに置た。

後で名前考えなきゃね

ウキウキしながら
夕飯の仕度を始めた。

嬉しくて、
あれもこれもと
作っていたら
テーブルに
乗り切らない程の
料理が出来ていた。

『作りすぎじゃないか?』

すかさずマー君に
ツッコまれてしまった。

『ま、まぁ
いいじゃない……』

浮かれすぎたかな……?

「華蓮、美味しそうだよ」

絢菜が運ぶのを
手伝ってくれた。

明日は月曜日。

楽しい時間は
早く過ぎていく……

「華蓮、ありがとうね」

夜、寝る前に
絢菜に言われたお礼。

『私は何もしてないよ』

朝ご飯や夕飯を
作ったくらいだ。

「あたしが言いたかったのよ
だって、こんなに楽しかったのは
本当に久しぶりだったからね」

楽しんでくれたならきっと、マー君も喜んでると思う。

だって、私が
こんなに嬉しいんだから。

『明日学校だし
もう、寝よっか……』

こうして、楽しかった
週末の二日間は幕を閉じた。

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