第九話💓母さんと外食
部屋が決まった翌日、
午後から用事があるという
風夜の家を出て母さんに電話した。
「休日にあんたから
電話してくるなんて珍しいわね」
母さんが笑っているのが電話越しでもわかる。
『今日、父さんは?』
日曜だから家にいるよな。
「夜から飲みに行くって言ってたわよ」
よかった。
『なら、夕飯は二人で外で食べない?』
家を出てから母さんと
ゆっくり話す機会は中々なかったから
ちょうどいい気がする。
父さんもいないしね(笑)
「あんたの奢り?」
言う思った。
『勿論だよ♬*゜
何が食べたい?』
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風夜とよく行く回転寿司に来た。
僕が家を出てからは来てなかったらしい。
父さんはあまり外食が
あまり好きじゃないもんなぁ(苦笑)
それでも、小さい頃は
家族サービスだったのか
ファミレスや回転寿司、定食屋など
色々な場所に連れて行ってくれた。
『
先月、風夜と一緒に来たよ』
僕達が共通で好きな物は多いけど
食べ物では特に“刺身”が好きだったりする。
そうすると、必然的に
“寿司”も好きなことになる(笑)
バランスよく、肉も魚も野菜も
一人なら適当でいいけど家族がいるなら
そうもいかないから大変だ。
「あんた、昔から魚好きだったものね」
流石母親、息子の好物は覚えているらしい。
「食べ物の好みは結構大事よ。
相手が好きでも自分が嫌いな物を
作りたくないでしょう?」
料理する側としては一理ある。
『母さんと父さんは
食べ物の好みはどうなの?』
僕が生まれる前のことを訊いてみたい。
「そうねぇ、
若い頃はなかったとは言えないわね。
父さんも好き嫌い多い方だったしね」
それは知らなかった。
寿司を食べながら色々な話をしてくれた。
こんな風に母さんと話すのは
初めてだなぁと思った。
何だか嬉しい。
「ごちそうさま」
満腹になって
満足した母さんは笑顔だ(笑)
『どういたしまして』
家まで送って、僕はマンションに帰った。