Friend 10 おどりたい
【青き裁きの森】
審判:
何やら、氣づいたようだな。少年。ぽみたち。
ぽみ:
審判様・・・
試練として水晶の空間が現れたが、そこでは「家族」の意味を考えさせられ、少年の傷の意味を考えさせられていた。
審判:
おまえたち、あの彫刻も見ただろう。あれは「純粋な絆」を表す。
少年:
あの彫刻って・・・あのぐねぐねした・・・
審判:
この森で彫りをやっていた盟友が彫ったものだ。
ぽみ:
ぽ兄ちゃんが見てたの、知ってるのですか!?
審判:
街に行っていた鳥たちからのお告げだ。
あみ:
そんなに伝わっていたのか・・・
審判:
絆を深めた者よ、心のままに行け。
森を抜け出し、しばらく歩いていくと・・・湖があった。
【青龍の湖】
少年:
ここが・・・青龍の湖?
ぽみ:
ここには、龍に近い種族が暮らしてるの。
あみ:
ここの民は・・・兄貴を受け入れるかな?
ふみ:
龍に近い種族・・・と言っても、思ったより寛容かもしれないな。行ってみよう。
みみ:
どんな。
ゆるい坂を降りていく。
そこに広がっていたのは・・・何も無いような風景の平野。
少年:
そんなに何も無いみたい・・・
ぽみ:
この辺の龍族やその仲間は洞窟とか地中で暮らすの。小型のは、大きな樹の中とか。
みみ:
お兄には想像できない。
あみ:
兄貴の世界では、外で夜を過ごしたりはするの?
少年:
あんまりそんなことは無いよ・・・
あみ:
もったいないな〜w夜だからいいものだってあるのに。
少年:
夜は危ないからって言われて・・・
あみ:
何それ!偏り過ぎ#
ふみ:
ほら、あんな感じのだよ。そこの岩。
少年:
ほんとだ・・・岩の間に穴が。
???:
そこの子、どこから來たのか?
ぽみ:
あ、ごきげんよう。
龍族D:
見慣れない種族?
ぽみ:
迷い込んできたんだって。
龍族D:
なんと(^∀^;
みみ:
案内した。
龍族D:
ん〜・・・(・_・:
ふみ:
見たいものがあるってさ。
龍族D:
いいけど、どんなのか?
あみ:
キラキラ光る石☆彡
龍族D:
それだったら水辺にあるよ。けどモノによっては持ったら調子が下がる。
ぽみ:
石ってのは波動というのがあるものよ。
少年:
水の結晶?ってどんな大きさなのかな。
龍族D:
水の結晶?ああ、石を集めていればできるよ。
ぽみ:
初めから結晶じゃないの。ここはわたしたちに任せて☆
少年:
龍族・・・何も言われなかったね。
湖のそばへ行き、どこかから出してきた石を集める。
あみ:
こういうの見つけるの得意〜♪ こういう色の石を集めるのかな。
ふみ:
そんな感じだね。青と白でざらざらした色の・・・
青地に白のノイズがかかった石だそうだ。
あみ:
あ、またあった!ここにも!あっちにも☆
みみ:
あみは細かいものなんてすぐ見つけるから・・・
少年:
スゴイ集めてないかい?
あみ:
集まった〜!
ぽみ:
わたしなんかこれだけよw
ふみ:
うちはこんなだよ。
みみ:
そんなに見つからなかった・・・
少年:
これをどうするんだい?
ふみ:
うちがやるよ。
念じたが・・・何も起きない。
ぽみ:
・・・わたしが!やる!
また念じたが・・・何も起きない。
みみ:
ふみもぽみもダメか?なら、わたくしが。
更に念じたが・・・何も起きない。
あみ:
何それ・・・
龍族F:
あらあら、あんたたち。何をしてるのかね。
ぽみ:
念じてるんだけど、結晶にならないの。
龍族F:
そりゃそうさ。水は心のかけらだから・・・
ふみ:
分かった。固まれと言っても固まらないのさ。
少年:
え〜・・・だったらどうするのかい?
あみ:
こ、細かいことはどうでもいいから!みんな!せっかく來たんだし!
ぽみ:
何?どうするの?
あみ:
みんなで踊ろう!湖を背にして!
ぽみちゃんは音鳴らしてよ!
ぽみ:
え?うん・・・それで?踊るの?
あみ:
なんか派手な音出して!
少年:
そんなことできるの?
ぽみ:
音は變えられるよ。ほら。
いつもの円形ハープ。いつもなら繊細な音を出していたそれが、太陽の光が降りてくるようなギラギラした音を出した。
少年:
こんな音出せるんだ〜w
あみ:
面白いでしょ〜!それじゃ踊ろう〜〜〜♪♪♪
みみ:
なんだか知らないけど。
ふみ:
乘ってみようよ。
あみ:
さあみんなで踊ろう〜〜〜♪♪♪
ぽみの演奏に合わせ、少年とあみとみみとふみは踊り狂った。
あみ:
湖でこんな踊り!いいよ〜〜〜♪♪♪
みみ:
なかなかのもの?お兄。
少年:
こんなに踊ったの初めてだよ。
曇っていた空が少しずつ晴れてきている。
その時、集めていた青い石が光って結合し、それと同時に湖から巨大な青い龍が出現した。
あみ:
出た〜〜〜!
ぽみ:
青龍様!
少年:
あれが・・・龍!
ふみ:
踊りから何か伝わったかい。
みみ:
素晴らしきかな龍の湖。
ぽみ:
石が!水の結晶もできてる!
ふみ:
これがそれだよ!
少年:
こんな世界が・・・あるんだ。
心を通わせたぽみたちと少年。龍も一緒に踊り始める。
その夜。晴れ。
暗い中で、地上辺り一面が星屑のようにキラキラ光っていた。
少年:
こんな景色もあるんだ・・・
ぽみ:
氣に入った?
あみ:
ここにもいろんな種族がいる!あたしと同じ種族も!
ふみ:
そこを見なよ。
ぽみたちと同じ種族の子が飛び回っているのを見た少年。
みみ:
わたくしと同じ・・・
少年:
皆光り輝いてる・・・
ぽみ:
わたしも、こんなよ!ぽふぽふ♪
ぽみたちも光を放っていた。
そうだ、裁きの森でも燈りになっていたよなぁ・・・
少年:
皆で遊びに行ってみようよ!
あみ:
そうだよ!混ぜてもらおうよ!
キラキラ光る夜の水辺。遊び回る何十人の子。
ぽみたちの世界、庭より深い。
--------------------
これで今回のお話は終わりです。
円形ハープはぽみの術によるものなので、普通にいろんな音を出せるのだろうと・・・そういう能力を持った子でw
最後のキラキラした地面は筆者の夢に出てきた景色からです。勿論、妖精みたいな子が飛び回っていました。
次回はみみやふみが目立つかも。