Friend 09 ふれあい
ぽみと少年のゲリラ即興演奏会を終え・・・
翌日の朝。
【レイの部屋】
少年:
んん・・・
レイ:
まだ眠いですの?
ぽみ:
ぽ兄ちゃん、力の使い過ぎ・・・
あみ:
スゴイ演奏だったもん!
レイ:
しかし、不安も一緒でしたの。なので・・・
空は曇っている。
この朝の氣分、薄い霧。
【緑緑した街】
また街を歩くぽみたち。早朝でしかも曇り・・・少し静まっている。
少年:
レイが言っていた、木彫りの庭って、こっち・・・だよね?
ぽみ:
もっといろんなことが思い浮かぶからって。ぽ兄ちゃんにはいい場所だって。
みみ:
木彫り・・・わたくしも好きなもの。
少年:
・・・・・・
ぽみ:
どうしたの、ぽ兄ちゃん?
少年:
家族・・・
前の演奏の後にぽみに言われた「家族」という言葉の意味を考えている。
ぽみ:
うん・・・ぽ兄ちゃんは、家族・・・
少年:
これが・・・今の・・・家族・・・
あみ:
ぽみちゃんが家族なら、あたしも家族だね!
みみ:
わたくしもか。ふみも。
【木彫りの庭】
少年:
これって・・・木・・・木・・・木・・・
彫刻がいっぱいだ。
弓形の橋。大きな鳥。角の付いた馬のような何か。巨大な葉。トゲトゲしたよく分からないもの。
みみ:
ここ、わたくしのお氣に入り。この世界のみんなが作った木彫りのあれこれ。
ぽみ:
花壇もしっかりしてるし、いいよ!
少年:
こういうの、元の世界にもあるよ。けど・・・こんなのは見たことがないや。
あみ:
ある彫刻は、見たもののありのままを。ある彫刻は、見たものから感じた別のものを。思いのままに、彫ってるんだよ!
みみ:
中には、こんな簡單なものも。
サイコロだ。
みみ:
けど、これにも想いが詰まっている。この細かい彫り具合。
少年:
ん〜・・・よく分からない。
ぽみ:
簡單なものって、どこにも無いのかもしれないよ。心が大事!心で、でき具合も變わるんだから。
いろいろ見ている中、物凄く大きな木彫りが目についた。
少年:
これ・・・作り込んでる・・・
ぐねぐねした複雑な構造の木彫り。
みみ:
これでも思いつきで彫られたものらしい。この真ん中に水晶を埋め込める。
少年:
それでどうするの?
みみ:
水の結晶を入れれば噴水が出る。
少年:
そんなスゴイ宝石?があるのか!
ぽみ:
うちの森には無いけど、他のところ・・・湖とかどこかにはあるよ!
あみ:
行ってみたい?
ぽみ:
また別の、裁きの森を通るよ?たぶん。
少年:
裁き・・・裁き・・・
行ってやるよ!
ぽみ:
けど、ぽ兄ちゃん、落ち着き無いよ?
【レイの部屋】
レイ:
湖?
少年:
決めたら、行くしかないよ。
ふみ:
決めたのかい。
あみ:
それじゃ、出発!だよ!
緑緑した街から續いている、青龍の湖への道を行く。
所々に水たまりがある。
【青龍の湖への道→青き裁きの森】
また暗い森だが、前の時とは違う。
少年:
池が所々にあるよ・・・
ぽみ:
次は、ぽ兄ちゃんに何が起きるのかな!
少年:
不氣味な花・・・何これ・・・
あみ:
これもいいでしょ〜!なんかこの森って感じで!ね!
ビシャァァァァん!!!
急に爆発して光って真っ白に。
あみ:
ほらー!ホラーじゃん!
ぽみ:
何!?何が起きてるの!?
ふみ:
この感じ・・・前と違うよ。
みみ:
次は何を仕掛けてくるのか・・・
少年:
あれ・・・景色が變わった。
何か水晶のようなものの中にいるような空間。
目の前に石板がある。
ぽみ:
何か書いてある!
少年:
讀めないよ。
ぽみ:
そんなの、この世界だけの古代文字に決まってるでしょ!
みみ!出番よ!
少年:
讀めるの?
みみ:
任せて。
心乱れし者へ。
ありのままの澄んだ心はいずこへ。
今意識の底に沈んでいるか。
根の想いを示せ。さすれば道は開かれる。
・・・と書かれている。
少年:
ありのまま・・・
ぽみ:
ありのまま・・・
あみ:
ありのままって・・・
ぽみ:
ぽ兄ちゃんの・・・ありのまま・・・?
ふみ:
ここ、少し先にも續いているようだ。行ってみよう。
少し進むと・・・また同じような景色だ。しかし、どこか違う。
ぽみ:
ああ・・・また。ぽ兄ちゃん、どうする?
少年:
・・・何も無いよ。
あみ:
それじゃ一生この中にいるままじゃん!どうにかしてよ!
少年:
何やっても・・・たぶん無駄だよ。家族として一緒にこのままでいよう。
ぽみ:
そんな〜!そんなつもりで言ったわけじゃないのに!
ふみ:
ボケていないで何とかしろよ!
少年:
こんなのに巻き込まれるために、ぽみたちの世界に迷い込んだのかい・・・
みみ:
落ち着いて。ここにも何か文字が彫ってある。
ぽみ:
解讀して!
みみ:
家・・・族・・・?
おまえたちは・・・家族・・・??
どういうこと?
少年:
要するに家族としていつまでも籠もってろってことじゃないの?
ぽみ:
いくら何でもそれは理不尽・・・
あみ:
でもいいじゃん!好き勝手すれば。もう行く場所が無いよ。
ぽみ:
何それ・・・
少年:
何でもいいよ!
あみ:
何でもいいって ・ω・;
少年:
好き放題でいいんだよ!朴たちはもう遊び倒すしかないんだ!
そう言ってあみに飛びつく少年。
あみ:
ちょ!え!?
ふみ:
こらこら、いくら何でもそれは・・・
あみ:
んんー!
何さいきなり・・・ぽふぽふはぽみ専用だよ!
みみ:
とか言うけど、ぽみだけじゃつまらないのでは。
少年:
誰が好きとかじゃなく、みんな好きだから!朴と、ぽみたち四人、みんな家族だから!
ぽみ:
それって・・・まさか!
ふみ:
ああ・・・それな。
「何人もの女を同時に相手するな」とか言われたんでしょ。
みみ:
お兄の世界、まだそんなことやってる。
少年:
誰か一人を選ぶなんて、好きなものを全部捨てるのと同じなんだ!
ふみ:
元の世界の傷が残り過ぎてるんだね・・・それも、ケガではなく、中身が・・・
あみ:
中身って?
みみ:
見えない傷というのはある。
少年:
みんな違っていいけど・・・自分だけが、ぽみだけが、よくても、よくないよ。
ぽみ:
わたし、それ分かる。みんなは分からないの?
あみ:
何それ・・・けど・・・あたしは・・・
ぽみ:
あみ、言い爭っている場合じゃないよ。最後の最後まで遊び尽くすよ!
ぽふぽふ♪ みんなも後に續いて1
あみ:
でしょうね・・・分かったよ。みんないくよ!
ぽふ♪
少年の額にペタするあみ。
みみ:
・・・ぽふ。
少年の左頬を両手で押さえるみみ。
ぽみ:
ぽふぽふ♪
少年のあちこちにベタするぽみ。
ふみ:
うちは・・・趣味じゃないけどな・・・
少年の右手を両手で包むふみ。
そうしているうちに、ぽふぽふ祭りになった。
4人にあちこちベタられる少年。乘り氣でなかったのが嵌まり出して少年の上から下まで撫で通すあみ。趣味ではないと言いながら適当に手足をいじるふみ。耳掃除みたいなことまでし出すみみ。いつも通り頬ずりしたりなでなでしたりするぽみ。
あみ:
何これ・・・なんかハマってきたよ!
ぽみ:
でしょ!これがぽ兄ちゃんの魅力!
みみ:
耳がこんなに汚れていたなんて・・・
ふみ:
足ツボとか言われることをしてみたよ。
そうしているうちに少年が内面から明るくなってきた。
ぽみ:
ぽ兄ちゃん・・・なんか明るくなってる!
あみ:
こんなに・・・まとわりつかれたかったんだね・・・
ふみ:
いったいどんな時間を過ごしてきたのやら。
みみ:
感じる・・・お兄の心が・・・
ビシャァァァァンンン!!
少年の中から光が放たれ、景色が元に戻った。と思えば、いつの間にか森の別のところに移動していた。目の前には、審判がいる。
審判:
何やら、氣づいたようだな。少年。ぽみたち。
ぽみ:
審判様・・・
審判:
家族というものは、自分の居場所になれる者のことだ。
先ほどの水晶の空間は、またまた裁きであった・・・
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こういうのをやってみたかったw
次回で湖に行ければ・・・!