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Friend 07 みたことない

裁きの森と呼ばれる森での試練を終え、薄暗い森を抜け出し、ぽみの森から離れた街へ向かう。そこは、ぽみもよく知っている街だ。


【裁きの森を抜けた後の道】

ぽみ:
あそこよ!

少年:
あれなのかい?

緑緑した街らしき何かがある。そこのことのようだ。

あみ:
なんかここに來ると賑やか〜!

ふみ:
氣をつけな・・・聞いてた通り、ヒトが受け入れられるかどうか分からぬよ。

みみ:
元はと言えば、ふみが街の話をしたから・・・

ふみ:
あ・・・ん・・・?そうだったっけか。

ぽみ:
違いがあっても、よき心があれば、受け入れられる!でしょ!
ぽふぽふ♪

少年:
そう・・・だったね。

 
挿絵



【緑緑した街】

ぽみ:
この街がこの世界で一番大きな街。ここからあちこちの場所に繋がってるの。勿論、わたしたちの森にもね。

少年:
もしかして、裁きの森って、この周りにいくつもあるの?さっきの道みたいに。

あみ:
あるよ。審判は番人みたいな者だから。

少年:
あの樹が何人もいるのか・・・

ぽみ:
あ、ここ!シロツメクサとアオツメクサの大花壇よ!まだ殆どクローバーだけど・・・

少年:
青い花もある・・・

シロツメクサは元の世界にもあるが、アオツメクサはこの世界ならではだ。

街中を進んでいくが、特に何も言われていない。しかし・・・

街の民N:
んん・・・何だ・・・?あの子、あんなのを連れて・・・

街の民C:
おいおい・・・あの種族ってなんかあれっぽいんじゃ・・・

街の民R:
何なのあいつ・・・

街の民W:
けどなんか雰囲氣よくない?わたしは好きだな・・・

微妙に注目されている。

少年:
なんか、朴のこと見てるよ・・・

ふみ:
そりゃそうだ。少年のような奴は珍しいから。

ぽみ:
けど、引いていくのもいるかもしれないよ・・・審判にもいろいろ言われてたし。

少し行った先の通り。足の重そうな民と円盤のような民がいる。

足の重そうな民:
おおお・・・!?あれは・・・ぽみ様!?

円盤のような民:
あら、あんなに。あの種族って、あれ・・・よね?仲よくなってない?

足の重そうな民:
ぽみ様!こちらですぞ!

ぽみ:
あら。ごきげんよう。

足の重そうな民:
まさか、そのようなお方とご一緒だとは。

ぽみ:
突然迷い込んで倒れてたの。せっかくだから、遊んであげようかって。

足の重そうな民:
そうですか・・・これはこれは。

円盤のような民:
この街の民は皆、個性豊かで面白いわ。誰もが自分の宝を持っていて、それを何かで表現しようとしているの。
けど・・・あなたのような種族については良く思わない者もいるみたい。まあ、あまり氣にしないで行きな。

少年:
この世界なのに、言葉が通じ合うのも、おもしろいですね・・・

ぽみ:
それに、ぽ兄ちゃん、初めてなのに笛も吹けるんだから!一度ハープで初めて合奏したけど、息ぴったりで!

足の重そうな民:
そうなのかい!是非ともそれを披露してほしい!

円盤のような民:
何故か他の世界から來られたそうだけど・・・帰り方は分かるの?

少年:
分からないけど・・・今頃帰ろうとは思いません。ぽみによくしてもらっては・・・

足の重そうな民:
そうかい・・・しかし、わたしとしてはどこか不安だ・・・

ぽみ:
それでも、裁きの森を抜けられたの!そうでなかったらここにいないもん!

足の重そうな民:
はっはっは・・・言われてみればそうですな・・・よく抜けられましたな。審判様にもお会いなさったのでしょう。よく認められましたね。

少年:
朴がこんなでも、ぽみは受け入れてくれた・・・ともだち同士・・・だから。

ぽみ:
わたしは、何でもいいけど!

足の重そうな民:
もしかすると、合奏を披露して良き評価を得られれば、認められるかもしれないな。初めてで息が合うのなら。

ぽみ:
・・・それよ!
やってみようよ!ぽ兄ちゃん!

少年:
やってみたい!

足の重そうな民:
「お兄ちゃん」ですか・・・それほどまでに。

少年:
「ぽ」兄ちゃんって言ってるけどね・・・場所はありますか?

足の重そうな民:
用意するよ。街の中央部にホールがある。そこでだな。

ぽみ:
よかったね!早速やろうよ!

あみ:
兄貴、夲氣!?

みみ:
一度合ったからと言って。

ふみ:
見てみようよ!おもしろくなるさ。

足の重そうな民:
舞台はいつでも使ってください。依頼はホールに出しますので、準備ができたらそちらまで。

ぽみ:
ありがとう!
それじゃ・・・明日ね!

少年:
それまではどうするんだい?

あみ:
わざわざ森に戻るのもあんまりだし。

ぽみ:
いいところがあるよ!街馴染みのレイって子に相談してみる!

少年:
レイ?誰のことだい?

ふみ:
確か、少し広い部屋が氣に入って、いつもそこにいるよね。

ぽみ:
部屋なら使わせてくれるよ!
・・・たぶん。

あみ:
レイちゃんの部屋に泊まるのか〜。

少年:
朴が行って、引いてしまわないのかい?

ぽみ:
その辺は自信あるよ!なんとか言ってみる!街の片隅にその部屋があるの。

少し歩いていく。


【緑緑した街の片隅】

ぽみ:
この建物の・・・上よ!

あみ:
急に行ったらびっくりしない?

ぽみ:
ここで待ってて。わたしが交渉してくる。

少年:
分かった。ここで待っていよう。

ぽみは早速、そのレイという誰かの部屋へ行く。飛べるので、直接外の窓から訪問できる。


【レイの部屋】

レイは花の帽子をかぶった子。
ぽみは、翌日に街で演奏会をしたい話、突然迷い込んできた少年のこと、裁きの森の審判の一件について説明する。

ぽみ:
そういうわけだから・・・

レイ:
なんか失望しますの。そんな種族を連れ込むとは。

ぽみ:
勝手に迷い込んできたのよw

レイ:
わたしとしては、あまり受け入れたくありませんの。
しかし・・・良き友として。演奏仲間として。ぽみは感じるものがあるのでしょうね。あの森で審判に勝つことができたのなら。わたしにも彼を見極めさせてください。

ぽみ:
夲当にいいのね?

レイ:
ぽみと大事な友のためですの。泊まりを許可します。

ぽみ:
それじゃ、連れてくるよ。

レイ:
承知しました。早速場所を用意します。


【レイの部屋の外】

ぽみ:
いいって!けど、少し話を聴いてほしいって。

少年:
分かった。入っていいんだね?

みみ:
よかった。

あみ:
レイちゃん、また会える!早速入るよ!

ふみ:
レイに失禮の無いようにね。


【レイの部屋】

レイ:
あなたがそのお兄様ですの?
・・・別にどうってことはありませんのね。

少年:
どうってこと?

レイ:
しかし、あなたの種族には「成長」というものがあるでしょう。わたしのような種族は、基夲そういうものがありませんの。成長する。變わる。汚れる。見たくもありませんの。

あみ:
強く言い過ぎよ!

少年:
いいんだ。そういう運命で生まれたらしいから。

レイ:
どうしようもないと諦めるのですの?

少年:
なんとか考えたいよ・・・どうしたらお互い受け入れられるのか。

レイ:
ぽみからだいたいは聞きましたの。おともだち、ですのね。

少年:
おともだちだ。

ぽみ:
もう純粋で!ぽふぽふ♪

少年に頬ずりするぽみ。

レイ:
そんなにですの・・・

みみ:
成長しても變わらなければいい、と。變わらなければ、受け入れられるか。

レイ:
そうですね・・・わたしも一緒に考えますの。

少年:
ありがとう、レイさん。

レイ:
レイでいいですの。ぽみのおともだち。

宿泊を許可され、ぽみ一同はレイの部屋にお世話になることになった。


ぽふ ぽふ
ぽふして

ぽふしたら温まる

ぽふ ぽふ
ぽふして

ぽふしたい

聞いてるよ


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これで今回のお話は終わりです。

様々な種族が出てきます。ウサギに猫にクラゲっぽい何か・・・平べったいのやら細長いのやら。とにかくいろいろ出てきています。

次回は演奏会です。

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