Friend 05 うすぐらい
少年は、キラキラ光る水場の水を飲んだ後、あみたちの後に續いて街というところへ行く。
途中にも見たことのない植物が生えていた。
少年:
こんなにあるの?見たことないお花・・・ヘンテコなツボみたいなの・・・
ぽみ:
元いた世界には無いのね!
あみ:
だったら、この森に着いたことは何かの縁かもしれないよ!
ふみ:
いや、それでも世界を移動なんてことはw
みみ:
どうして幾つかの世界が同時に繋がるのか。
ぽみ:
もしかすると、求めていた世界かもしれないよ!
少年:
朴だってこんなことになるなんて思わなかった。別に死んだわけでもないのに!
ふみ:
間違い無いのかい?
みみ:
少年の言ってることは真実。元の世界でもその姿。
みみには分かってしまうのか・・・
【薄暗い森】
街の前に、薄暗い森に入るが・・・
少年:
どんどん暗くなっていくよ。
ぽみ:
街はここを抜けた先にあるけど、わたしたちにしっかりついてきて!
少年:
分かったよ。
【暗い森】
ぽみ:
はい、これで安心!ぽふぽふ♪
小さいながらも少年と手を繋ぐぽみ。
あみ:
早速行くよ!
ぽみ:
ここはゆっくり行きなさい!
あみ:
は〜い・・・
少年:
・・・そもそも、ここはどういうところなんだい?
みみ:
分かっている存在にしか抜けられない森・・・というべき?
ふみ:
そもそも、少年はここを抜けられるのかい。
みみ:
少しばかり不安・・・
ぽみ:
ぽ兄ちゃんはいい人だから!へーきへーき!
あみ:
ここまで見たら分かるよ!兄貴、居心地いいし!森を大事にするって想いが伝わってくる!
ふみ:
同時に、遊び足りないって感情も出してるけど・・・
みみ:
遊び足りないとは。
ふみ:
元の世界でかなり潰されているように感じる。その分、何かを強く求めているようだ。
ぽみ:
何それ〜^∀^;
あみ:
だからいいのかもよ!
少年:
どんな見方してるんだい・・・
ただの薄暗い森どころか、どんどん暗くなる。みみが言ったあの言葉の意味はいったい。
少年:
何これ・・・なんか暗い・・・
ぽみ:
こんなの簡單!ていうか慣れてる!
ぽみは触角から光を放った。これで燈りになる。
少年:
ぽみ、こんなこともできるのか!
順調に森を進んでいる・・・はずだった。
少年:
この道でいいのかい?
しかし、そこにはぽみしかいなかった。
ぽみ:
あれ・・・?ぽ兄ちゃんだけ・・・?
ちょっと!迷っちゃったよ!どうして!
少年:
道、あってるんじゃないの!?
ぽみ:
あみー!みみー!ふみー!
完全に迷い込んでしまったみたいだ。
ぽみ:
ああ・・・もしかしてこれって・・・何かおかしかったのよ・・・
少年:
どういうことなんだい?
ぽみ:
迷う人っていうのは・・・
???:
そこの者・・・何を騒ぐ!
少年:
なぁぁ!?
ぽみ:
きゃぁぁ!
少年:
何だ・・・誰だ!?
???:
心乱れし者!何をしに來た!そこの小さいの、おまえもだ!
ぽみ:
まさか・・・ぽ兄ちゃんが・・・!
少年:
ちょ、どうなってるんだよ!
ぽみ:
とにかく、走って!全速力で行くよ!
少年:
あーもう!何だってんだよ!
譯が分からないまま森を走っていく。しかし、出口が見つからない。完全に迷い込んだ。
何か厳かな赤い光が見えている。そこに向かって進む。
ぽみ:
そんな〜!やっぱり・・・
少年:
どういうことだよ!
ぽみ:
ぽ兄ちゃん、氣を強く持って!もう逃げられないよ!
少年:
意味が分からない!
ぽみ:
ここは・・・ただの森じゃない!まさか・・・そんな・・・
赤い光は、不氣味な大きな樹によるものだった。
ぽみ:
審判!?やっぱり・・・
少年:
どういうことだよ!?
ぽみ:
ここは・・・裁きの森と云われるの・・・この森を抜け出すには条件があって・・・
その審判が、この大樹であるそうだ。
審判:
ぽみ!何故その者と共にいる!?その者が世界に害を成す者だと分かっていながら。
ぽみ:
ぽ兄ちゃんはそんな奴じゃない!
審判:
貴様は下がってろ!
少年:
何をするつもりだ!害とは何だ?
審判:
・・・おまえをすぐに消すつもりはない。しかし!ただでは抜けさせぬ!
ぽみ:
・・・そういうこと。
ぽ兄ちゃん、この方の話をよく聴いて。惡い奴じゃないから。
審判:
ここを抜け出したくば、他の3人を捜せ。いるんだろう?ぽみの友が・・・
少年:
・・・それだけ?
審判:
行けば分かる。3人は別々のところにいる。連れ戻すまでは抜けさせぬ!
ぽみ:
ぽ兄ちゃんに何か言いたいみたいだけど・・・とにかく捜そうよ。
少年:
けど・・・こうしている間に・・・
ぽみ:
時間よ止まれ☆彡
しかし、何も起きない。
ぽみ:
うそ・・・止まらない。
審判:
ぽみたちが術を使ったり干渉することは許さん!
少年よ・・・自分の力で捜せ!
少年:
そんな・・・行くしかないんだ。捜そう!
ぽみ:
分かりました!
わたしは雑談しかしないから。けど、条件だけ教えるのはいい?
審判:
いや、わしが教えよう。
ただ感じるままに行け。それだけだ。
他の3人を捜しに、急いで森を走る。
少年:
何だったんだい?さっきのは・・・
ぽみ:
つまり、グルグル考えるんじゃなく、自分の直感で、受け付ける方へ行けばいいんだって。
少年:
自分の受け付けるままに・・・
少年にはその深い意味がよく分からない。
分からないまま走る。
少年:
うわぁ!
ぽみ:
ぽ兄ちゃん!
ああ・・・あちこちの道がもう荒れてるよ・・・
少年:
こんなところ・・・っ!
だいたい、裁きって何さ!何を見てるんだい?その審判は!
ぽみ:
わたしは口出しできないようになってる。けど、審判が送った言葉なら言ってもいいって。
少年:
今はあるのかい?
ぽみ:
お兄ちゃんはまだ何かを信じ切れていないって!
少年:
朴はぽみたち四人を信じるよ!
元の世界とは違う!この子たちなら・・・
そうしているうちに、みみが見つかった。
みみ:
どうした。どこに行ってた。
少年:
そんなの分からないよ!けど、これは裁きだって・・・
みみ:
裁き・・・そういうこと・・・
續いて、少し先を走ったところで、ふみが見つかった。
ふみ:
まさか、少年がこの試練に巻き込まれるなんて思わなかったよ。
少年:
あとは・・・あみだけだ!
しかし、あみはなかなか見つからない。
それどころか、道が石や根で荒れていて進みにくい・・・
ぽみ:
ああ・・・もうどこなの・・・ぽ兄ちゃん、どうするの?ずっとここにいる?
少年:
分からない・・・思いつくままに行っても、あと1人が・・・
そうこうしているうちに、また審判の下に着いた。
審判:
残りの一人がいないぞ?ここで抜け出せずに、ここまま闇に飲まれるか?
少年:
そんな・・・
審判:
だが、おまえの心は目覺めておる。おまえの世界の、人間どもとは違うようだな。
少年:
な・・・!?人間・・・?
審判:
おまえのいる世界の奴は、恵みというものを忘れ、次々と爭いを起こし、あらゆるものを我が物のように扱っておるだろう・・・そのようなものをこの世界に入れるつもりはない。
少年:
だったら、どうして・・・
審判:
おまえが、人間とは何か違うからだ。
少年:
違うって?
審判:
人間と呼ぶには惜しい存在なのかもしれない。それがこの場を引き寄せたのであろう。
ぽみ:
何?どういうこと?
審判:
だが所詮は客・・・わしは信用できぬ。
少年:
・・・客なんかじゃない。
審判:
なぬ!?何を言うか!
少年:
朴は・・・
見るからに偉大な樹の前で、何かを言おうとしている少年。その瞬間、ぽみも少年から不思議なものを感じた。そして、固そうな審判ですら・・・
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時間が無くなったので、ここで切ります。
果たして、次回で森を抜け出せるのでしょうか?