Friend 03 ものすごくあそびたい
くじびきで遊ぶ順番が決まった、あみ・ぽみ・みみ・ふみ。
あみに樹登りを教わった後、少し散歩していた。
あみ:
あの辺に樹の実や草の実もあったし、持ち帰りだね!
少年:
1個食べたけど、なんかサクサクしてるよね。こんなのがあるんだ・・・
シリアルとクッキーと砂糖菓子を足して割ったような食感。
あみ:
つぶつぶしたのもあるんだよ!他にも・・・いっぱい・・・
少年:
持ち帰ろう!ぽみのところに!
【ぽみ邸】
ぽみ:
あ、戻ってきた。
あみ:
樹の実草の実いっぱいだよ!
少年:
採ってきたんだ。
ぽみ:
いっぱい飛び回ったのね^∀^*
あみ:
兄貴、樹にも登れたんだよ!
少年:
初めて登ったけど・・・いい眺めだったよ。
ぽみ:
そう、登ったのね!
少年:
けど、この辺の樹、しっかりしてるよ・・・枝が折れもしないし。恵まれてる。
ぽみ:
この森の樹だもん☆
あみ:
それじゃ、あたしはその辺回ってる!任せたよ、ぽみちゃん!
あみは飛んでいった。少年はぽみと一緒にいる。
少年:
それって、花冠・・・
ぽみ:
うん。小さいシロツメクサで作った ^v^*
森には大小様々なクローバー・シロツメクサがある。米粒くらいの大きさから特大のものまであるそうだ。
少年:
なんか・・・ぽみ、この森の主って感じがする。
ぽみ:
ぽ兄ちゃん、樂器ってできる?
少年:
ああ・・・やったことないんだ。
ぽみ:
じゃあ、この花のこれは?
笛〜☆彡
橙色の花の葉が縦笛に變わった。
少年:
何これ小さ・・・
ぽみ:
いいからいいから!これをこう構えて・・・ここから吹くの!
甘い音がした。
少年:
鳴った!
ぽみ:
それじゃ、これ彈くから、適当に吹いてみて。
ぽみは円形の糸の輪の集まりを出現させ、それを彈いて少しキラキラしたような音を出した。ヒトの世界で言えば電子ハープのようなものか。
少年:
こんな音が出せるのか!
ぽみ:
ほら、やるよ!
少年はぽみのハープ演奏の後に續いて適当に葉の笛を吹くが・・・
少年:
(何これ・・・初めてなのに勝手に思いつく・・・)
ぽみ:
(初めてなのに!こんなに吹ける!?どういうこと!?)
何かの流れで息ぴったり。
少年:
朴・・・どうなっちゃったんだい!?
ぽみ:
スゴイ・・・こんなに息が合うなんて!
少年:
魔法でもかかっちゃったのかい!?
ぽみ:
誰かからのメッセージなのかな!
【石板の広場】
その次はみみだ。
少年:
みみ!そっちはどうだい?
みみ:
見てみて。
少年:
壁に絵が・・・
みみ:
想いのままに。感じるままに。
少年:
これって、ずっと残るのかい?
みみ:
消すこともできる。これ、書き換えてるから。
少年:
な・・・え!?書き換えるって・・・そんなことできるの?
石が削れているはずなのに、ブラシ1夲ですすーっと元に戻った。なんだこれ。
みみ:
お兄も描いてみなよ。これを使う。
少年:
ん〜・・・絵はあんまりうまくないからなぁ・・・
思いつきで描いてみるが・・・
みみ:
あんまり絵は得意じゃないらしい?
少年:
だよなぁ・・・ていうか、これじゃそんなに思いつかない。
みみ:
誰にでも向き不向きはある。
少年:
それにしても、スゴイよな!みみ、飛べるから、いっぱい描ける!それに・・・なんか惹かれていく・・・
みみが描いているのは、説明のつかない何かの紋様だ。
その次、みみからふみのいる場所を聞き、ふみのところへ行く。
【段々花の森】
何段にもなっている花と樹の庭。
ふみ:
來たか。他のみんなはどう?
少年:
よくしてくれてるよ・・・音樂も、壁画も・・・いいよね・・・
ふみ:
ここの花や樹はいろんなものになれるんだ。
少年:
笛になる葉もあるんだよね!
ふみ:
ぽみがやってたか。・・・だったらこれは?
黄色の花びらがカーテンのようになった。靡いている。
少年:
おお!?こんなに!
ふみ:
それと、これもな。
青い花が服に變わる。
少年:
こんなこともできるんだ・・・
ふみ:
着てみなよ。合うかもしれないよ。
花が變化した青い服を着てみた。
少年:
これ・・・合う?
ふみ:
いいな。こういう少年がこの世界に合いそうだ。
少年:
着心地はいいけど・・・
ふみ:
持っていってもいいよ。そもそも、ここはうちが管理している。
青い服を着たまま行く。
少年:
ここが・・・世界・・・
【ぽみの森の片隅・木造小屋の広場】
よく遊んだ日の夜。またあの小屋に戻った。
少年:
ぽみ、いいの?主なんだし、場所が・・・
ぽみ:
別にw一瞬で飛んで行けるから。誰かさんと違ってw
少年:
誰だよw
ここって、やっぱり、朴のいた世界とは違うのかい?
ぽみ:
ああ・・・うん・・・違うと思う・・・
ぽ兄ちゃんはどんな世界にいたの?
少年:
もうあっちもこっちも冷え切ってるさ・・・みんなバラバラだし、誰も仲よくできない。
ぽみ:
そうなんだ・・・つらかったの?
少年:
親も全然ダメで。
あみ:
おやって?
みみ:
お兄の種族では、親というのがいるのか。
ふみ:
この世界には「親」の概念は無いよ。
少年:
そうだったのかい!?
ふみ:
そうかい・・・少年の世界はまだ・・・
ぽみ:
わたしたちはもうそっちの世界に行く氣は無いよ。だってここが一番いい!
みみ:
わざわざつらい世界を選んで生まれる奴はいない。
あみ:
生まれ變わるなら、もっといい世界に行きたい!
少年:
よく分からないけど。それで・・・
ぽみ:
もういいよ!これ以上は訊かない。そんなに喋っても心が壊れるだけだし、今ここが大事!
少年:
そうだよね・・・
みみ:
夜が明けたら、またどこかに行く。
ふみ:
せっかく着けたんだからね。
少年:
うん・・・そうだね・・・ていうか、あんたたち、元氣だね・・・
ぽみ:
あれ・・・眠そう・・・
ふみ:
こんなに早く眠くなるとはね。
少年:
ぽみ・・・って言ったっけ。眠くないのかい?
ぽみ:
失禮な♪ 夜でも朝でもどこにでもいるよ!ぽ兄ちゃんのところはそんなにいっぱい寝るの?
少年:
早寝しなさいって言われるよ・・・
みみ:
何それ。この森には早い遅いの概念は無い。
ぽみ:
ぽ兄ちゃんの世界がよく分からないよっ!ぽふぽふ♪
あみ:
あたしはまだ飛べるよ〜!外出てくる!
前と同じく、ぽみだけ、少年に止まって寝ている。他の3人の妖精は近くの大きな花に止まっている。
ぽみ:
ぽふぽふ・・・
すっかり慣れてしまったぽみたちであった。
ぽふ ぽふ
ぽふして
ぽふしたら温まる
ぽふ ぽふ
ぽふして
ぽふしたい
聞いてるよ
--------------------
これで今回のお話は終わりです。
4人の個性を書き出してみました。今回の分だけでなく、まだまだ場所や活動はいくつもあります。この時間内に全部収めようとするとタイムアウトになりかねないので、この辺で。
ぽみのハープ演奏については、魔術で浮かばせる光の糸が思い浮かんだのでその形にしました。紹介映像で流した通り、色は外側から橙→緑→全部ピンク、です。なんか、円形の何かを曲に合わせて叩きまくるゲームがありましたね・・・あれほど大きかったり激しかったりではありませんが、あれと似た感覺です。
尚、キャラ紹介に出ているマレットがいつ出るかは未定です。
最後の会話は、一時期考えたことのある世界観を含みます。今後、少年の世界と妖精の世界の違いが更に語られるでしょう。
次回は他の種族に会います。