Friend 02 はれぞらまぶしい
ぽみたちの森に急に迷い込み、ある小屋でゆっくりすることになった少年。
何事も無いような夜を過ごす。
【ぽみの森の片隅・木造小屋の広場】
ぽみ:
何も無いって言ってたけど、ぽ兄ちゃんのいた世界って、何でもある世界なの?
少年:
そう言われても・・・まあ確かに、あれもこれもってあるのはあるよ。けど・・・ここではそんなものが無くても、みんな生きてるんだよね。
ぽみ:
そっちの世界に、どんなものがあるのかって・・・訊かなくていいよね。
少年:
そうだよね・・・この世界には要らないものかもしれないし。
ぽみ:
いいの?元の世界に帰らなくても。
少年:
なんでだろ・・・こっちの方が居やすいかもしれない・・・
ぽみ:
そう?それならいいけどw
少年:
いずれにせよ、帰り方も分からない。夲当に元いた世界と違う世界だとしたら。
ふみ:
お茶だよ。
少年:
ありがとう。この世界にもお茶ってあるんだね。
ふみ:
その辺にある水を汲んで、香草を浸ける。それでできるよ。
少年:
あれ、冷たいまま。
ふみ:
だからいいのだよ。
少年:
けど、よくこんな大きいもの、持てるね。
木の急須があるのを見ていた。
ぽみ:
ふみなら、このくらいのものは持ち上げられるよ。
少年:
この香り・・・何だろ・・・
ふみ:
いけなかった?
少年:
いや、いいよこれ!いい香りしてる。なんか疲れがとれそうだ。
ふみ:
よかった。
香りを感じた後、少年はお茶を飲み始める。
少年:
熱いのなんて無くても、こんなにできるんだね。
みみ:
味を感じさせるため、と言えばいいのかな。
少年:
ぽみ、あみ、ふみ、みみ・・・
ぽみ:
うんうん!
少年:
あみはどこへ?
ふみ:
その辺飛んでるよ。
少年:
元氣なんだね。
ぽみ:
そういう子なの!
みみ:
よくあちこち飛んでる。
ぽみ:
わたしも、少し外に出たい。ぽ兄ちゃんはどうする?
少年:
「ぽ」兄ちゃんって・・・
ぽみ:
ぽふなんだもん!ぽふぽふ♪
ふみ:
月でも見てみれば。
少年:
そうだね。少しだけ・・・
ぽみ:
行こ!行こ!
月夜。
この世界の月は、見た目そのものは元の世界と變わらないが・・・
妖精たちは床に寝られないので、近くの大きな花に止まって寝る。ぽみだけ、少年に止まって寝ている。
夜明け。外に出るぽみたち。
この朝の氣分、晴れ空。
【ぽみの森中央部】
ぽみ:
晴れ空〜☆
少年:
こんな空が見られるんだ・・・
ぽみ・あみ・ふみ・みみは少年と一緒に集まっている。
ぽみ:
こっちよー!
あみ:
こっちだって!
少年:
ん〜・・・何があるんだい?
ぽみ:
わたしの場所!
ふみ:
行ったら分かるよ。
あみ:
行こう♪行こう♪今そこへ♪
少年が倒れていたところの近くに、その場所はある。
少年:
なんか庭みたいなところがある・・・
花に囲まれたアーチの奥によく整った庭がある。
【ぽみの森中央部の庭】
ぽみ:
ここが、わたしの庭!
あみ:
ぽみは、この森の主だよ!
少年:
主・・・って?
ふみ:
ぽみが中心になって森を管理している・・・と言えばいいのかな。
少年:
こんな大きな森を!?
みみ:
一人でではない。みんなでやってる。
少年:
みんなって、どのくらいいるんだい?
ぽみ:
見ていたら分かるよ!
少年:
4人だけじゃなく、もっといっぱいいるってこと?
ぽみ:
わたしたちみたいなのだけじゃないけど・・・
ふみ:
あの小屋を建てたのも、この森の者だよ。
少年:
どんなだろう・・・
ぽみ:
せっかくここに來たんだから、少し遊ぼうよ。
あみ:
あー・・・あたしはあちこち飛び回りたい!
ぽみ:
わたしは・・・音樂やりたい!
みみ:
わたくしは・・・あっちで壁画を書き換えたい。
ふみ:
うちはいろんな花に挨拶に行こうかな。
少年:
な・・・バラバラじゃん。
あみ:
それぞれやりたいことがいろいろになることだってあるよ!だってみんな好きなものが違うんだから。兄貴はどうする?
少年:
どうするって言われても・・・
ふみ:
別にゆっくりなんだから、一人ずつ回っていきなよ。
ぽみ:
そうよね!一氣に4人も抱えなくても。
少年:
ん〜・・・じゃあ一人ずつ回るよ。
ぽみ:
誰からにする?
少年:
ん・・・えーと・・・
あみ:
くじびきしよう!これで簡單に!
ぽみ:
それいいね!
少年:
くじびきって!そんなのあるのかい?
ふみ:
この近くに、くじの花がある。
庭の片隅に、薄紫の壺状の花があり、それがくじの花だそうだ。
少年:
これが・・・くじびき?
ふみ:
見ていな!
4件、ぽみ、あみ、みみ、ふみ☆彡
くじの花から光の玉が出た。
あみ:
ここから引くんだよ。
ぽみ:
どれにする?
ふみ:
好きな順番に竝び替えな。
少年:
それじゃあ・・・
4つの光を竝び替える。そして、色がそれぞれの色に變わった。
ぽみ:
これは・・・わたしが一番!その後、みみ、ふみ、あみ!
あみ:
あたし最後〜!?
みみ:
わたくし・・・2番目・・・
ふみ:
そう決まったし、回っていく?
あみ:
あーあ・・・あたし一番になりたかったなぁ・・・
少年:
あみが初めでもいいよ。そこまで言うなら・・・
あみ:
いいの!?
ぽみ:
大らかなのねwじゃあわたしは2番目ね!
ふみ:
うちは最後でもいいよ。
あみ:
あ〜晴れてキラキラしていっぱい遊べるよ!こんなにいい時は無いよ〜!
ぽみ:
わたしも、ここまで晴れたことはなかったよ!ぽふぽふ♪
どういうわけか少年に頬ずりするぽみ。
あみ:
あたしが初めでしょー!!
ぽみ:
はいはい^∀^;
あみ:
行っくよ〜!
あみは早速庭を出て飛び回る。少年は後に續く。何故か籠を持っている。
【ぽみの森中央部の道】
色彩豊かな小鳥たちがいる。
少年:
この世界にも小鳥がいるんだ・・・
あみ:
うんうん!
この世界には、鳥だけでなく、鳥の種族もいるよ!
少年:
小鳥にしても、あみにしても、飛べるっていいよなぁ・・・
あみ:
兄貴は飛べないんだったねw
飛びたい?
少年:
できるなら。
あみ:
けど、あたしたちにはそういうの無いから・・・知ってる子が飛ばせるよ。そのうち会ってみようよ。
少年:
いるの!?飛ばせるの!?
あみ:
この森の子だけど、よくあちこち出かけるから・・・
少年:
そうなんだ・・・会えたら飛ばしてもらいたい。
【ぽみの森中央部から少し離れた道】
あみ:
じゃあさ、この樹に登れる?
少年:
ああ・・・木登りはしたことなかったんだ。
あみ:
やり方教えるよ!こっち來て!
少年:
ここに手が届くけど・・・
あみ:
ここは、ああしてこうして・・・
少年:
あれ、なんか軽い。
あみ:
何のこと?
あみから木登りのしかたを教わる少年。意外と行けたようだ。その上、元の世界より軽い波動を感じていたのでかなり樂だった。
少年:
こんなに高く・・・
あみ:
高いところは初めて?
少年:
うん・・・ここから見ると、景色が違うね。
あみ:
そりゃもう!高いところから見たら・・・えーと・・・
少年:
あ・・・何だろうw
あみ:
何でしょうw
少年:
言葉にならない、いい眺め・・・なんだ。
あみ:
そこを、ぽみちゃんは音で語るからいいんだよね!
少年:
ぽみか・・・
この後、ぽみのところへ行くことになる。
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これで今回のお話は終わりです。
水出しのお茶は今の世界でもよくあるものです。ハーブティーもできるでしょう。
4人は個性豊か!ぽみ・あみ・みみ・ふみ。それぞれ好みは異なりますが、心ひとつに飛び回ります。今回はあみの番だったので、次回はぽみ・みみ・ふみが出てきます。