Friend 01 めぐりあい
どこかの森?
ではなく、誰も踏み入れられない森。
この森の主とされる妖精ぽみを中心に、妖精や不思議な生き物が暮らしている。
澄んだ水。
風の音。
どこかから地表に出る活力。
樹々の間から降りる温かい日差し。
ところどころに生えるクローバー。点々と咲いている大小様々なシロツメクサ。
その日その日で氣分も調子も變わる・・・
そして、朝と夜・・・毎日毎日、再生の繰り返し。良き循環が成り立っている。
この朝の氣分は・・・
【ぽみの森】
ぽみ:
おはよう、あみ。今日もどこか?
あみ:
どこでしょうw
ふみ:
あんまり騒がせないでよ。時々あれこれ引っ掻き回すから・・・
あみ:
何をー!
みみ:
ん〜・・・今日は晴れやか・・・
ぽみ:
そう見える?
あみはどっかへ飛んで行った。しかし、ぽみの表情は・・・
みみ:
ぽみ、どうしたの?
ぽみ:
氣のせいかな・・・何かがざわついてる・・・
みみ:
よく分からない。
ふみ:
いつもああだよ。どこでしょうって言って、勝手にどっかに飛んで、何か振り回して、勝手にお告げが來て・・・あみさん、いつも騒がしいよ。
ぽみ:
それがあみらしさ?なんだけど・・・
ふみ:
どうせすぐ元に戻るから、いいけど。
そもそも、この世界には日付という概念が無いのだ。
正確には、日が進むという概念は半分あるが、いつが何月何日なのかという計算は無く、いつも今だけが存在する。たとえ季節が一周しても、年は進まない。
ぽみ:
・・・あれ、樹々が、風が、何か言っている・・・誰からの言葉?
ドゴォォォォォンンンン!!!
ぽみ:
何!?
ふみ:
どこかで何かが爆発したようだね。
みみ:
まさか、あみ・・・!?
ふみ:
にしては様子がおかしいよ。
ぽみ:
あっちから聞こえたような!
ふみ:
行く。
【離れた広場】
あみ:
な・・・な・・・な・・・!
あみの目の前に、誰かが倒れていた。この世界の存在ではない。
あみ:
人・・・!?ヒトの世界から?
しかも汚れまくっている。
ところで、この広場・・・クローバーが大量に生えていたところだが、今の爆発で半分ほど消えていた。シロツメクサの花も散っている。その爆発の跡に、人が・・・
ぽみ:
そこ!何か!
ふみ:
おやおや、誰なのかい。
あみ:
ぽみちゃん!みんな!どうして・・・
ぽみ:
スゴイ爆発の音だったから!
・・・ところで、誰なの?
あみ:
外から迷い込んできた人だよ!
スゴイ汚れてる・・・
ふみ:
ヒト・・・少年・・・だよね?
みみ:
どうしてこんな。それどころか、こんな異種族に会うなんて。
あみ:
とりあえず・・・ここで見ていようよ。
妖精は無限大だから何をされてもすぐに再生する。なので、この少年のそばにいようが構わない。
4人は少年のそばでゆっくりしている。
ぽみとあみは少年に寄りかかっている。ふみとみみは少し離れたところから見ている・・・
みみ:
あの・・・人?夲当に誰?
ふみ:
何が起きたか知らないけど、起きたらいろいろ訊いてみよっか。
4人は少しも警戒しない。
他の種族や動物たちは離れていくが・・・
少年:
んん・・・ん・・・?
ぽみ:
起きたよ。
あみ:
起きたみたい。
少年:
あれ・・・ここは・・・
ん?誰?
ふみ:
急にこんなところに入ってくるなんて、珍しいよ。
少年:
夲当に誰だよ?どうなってるんだい?
あみ:
細かいことはいいから!
少年:
細かいことが何か知らないけど。
ぽみ:
いったいどんな道でこんなところに入れるのかな!
少年:
どんな道って・・・今、山の道を走ってたところだよ・・・
みみ:
山?そんなところではないのだが。
ふみ:
ああ・・・その・・・
ぽみ:
やっぱり異世界の種族よ。
少年:
「種族」って・・・
あみ:
どうやって着いたのか知らないけど、少しくらいこの森のこと、知ってもらうよ!
少年:
森って・・・ああ、そういうことか。そもそも、ここはどこなんだい?
ぽみ:
どこって言われても、ここよね。
あみ:
どこって言うところも無いよ!
ふみ:
今ここ、でしょうね。
みみ:
そう、今ここ・・・
少年:
今ここって言われても分からないよ。別に、帰ろうとも思わないけど。
ぽみ:
だったら、しばらく、わたしたちといる?いいところがあるよ!
あみ:
行こう♪行こう♪今そこへ♪
ふみ:
今そこって言われても、分からないだよ?
みみ:
この種族、場所の概念があり過ぎるから。
あみ:
あー、そうだっけ!
少年:
だって、ここがどこなのか夲当に分からないんだもん!
あみ:
分からなくていいんだよ!
ぽみ:
ありのままに!ぽふぽふ♪
少年の頭を軽く叩くぽみ。
少年:
な、何これ・・・
ぽみ:
ほら、こっちよ!
あみ:
行こう♪行こう♪今そこへ♪
あみが先に飛んで行き、ぽみが後に續いた。その後を、みみ・ふみ・少年が行く。少年は飛べないので、走った。
ぽみの森の片隅。少し行ったところにある、広い空間。そこに、小屋がある。
【ぽみの森の片隅・木造小屋の広場】
ぽみ:
とりあえず、ゆっくりしよ!
少年:
小屋があるだけじゃんか。
ぽみ:
だから、ここに入っていいの!
あみ:
それじゃあたしは少しその辺を回ってる〜。
どこかから籠を取り出して飛んでいくあみ。
みみ:
この小屋は、いつもは空き家。
ふみ:
適当に誰でも使っていいよ。
ぽみ:
どうせ、わたしが主の森だしw
少年:
・・・譯が分からない。
ぽみ:
ありのままに!ぽふぽふ♪
少年の頭を軽く撫でるぽみ。
少年:
だから、ここで何をするんだっての。
ぽみ:
別に〜。ただゆっくりすればいいの。
少年:
別にそれでもいいけどさ・・・
みみ:
細かいことはいいから。
???:
あれ、あんたたち。
ぽみ:
だー!使ってたのね!
小屋から出てきたのは、ウサギの姿をして羽のついた種族だった。
少年:
何でウサギに羽が!
ふみ:
まあ落ち着け!
少年:
しかも喋っただ!?
羽ウサギ:
そいつ誰ね?
みみ:
なんか、森に迷い込んできた。
少年:
なんか、變なところに入り込んでしまった。
ぽみ:
なんか、ここどことか訊いてきた。
羽ウサギ:
ああ・・・見たことない種族かい。行くところが無いなら、ここを使いなよ。
ぽみ:
というわけで!この小屋、ぽ兄ちゃんが使えるよ!
少年:
夲当にどこなんだここ・・・
羽ウサギ:
細かいことはいいから。
ふみ:
細かいことはいいのだ!
羽ウサギは前の庭に出た。代わって少年が入る。
少年:
ここに・・・
ぽみ:
ああ・・・殆どいないていうか、いないよね・・・
ふみ:
とっくの昔に消えたよ・・・
少年:
じゃあ、やっぱり珍しいんだ。
みみ:
けど、迷い込んできたというのは・・・ね。
少年:
そんなに何も無いよ。
ぽみ:
何かあった方がいいの?
みみ:
ああそれ。価値観も違うんだと思う・・・
少年:
じゃあ、この森では、何も無いのが価値観なのかい?
ぽみ:
何も無いってわけじゃないけど・・・
ふみ:
何も無いというのも違うよね。
みみ:
0か100かで考えてはいけない。
あみ:
みんなー!木の実採ってきたよ!
採れた実は
赤白黄色 橙だ
しかもいろんな形がある・・・
ふみ:
採ってきたのかい。
少年:
何だ・・・?
ていうか、そんなに持ち上げられるのかい!?
あみ:
好きなだけ!はい!
少年:
食べられるのかい?
ぽみ:
食べてみなよ!全力全開☆
少年:
これは・・・甘い。
丸く白い実は甘く、平べったく黄色は薄味。デコボコした赤は酸味が効いて、五芒星型の橙は少し鹽っぽい。
少年:
こんなの食べたことがないや・・・けど、なんかいいよ。
みみ:
他にもある。この辺以外に行けば。
少年:
じゃあ、そこにも案内してよ!
ふみ:
勿論行くよ。けどまずはゆっくりね。
ぽみ:
なんかこの人、雰囲氣だけでもおもしろいよ。
みみ:
まあ・・・どこか他の世界から來たのなら、その辺も・・・
少年:
朴だってこの森がどんななのか分からない。
ぽみ:
ありのままに!ぽふぽふ♪
今度は少年を頬ずりするぽみ。
ふみ:
行くとこが無いなら、ここでいろいろ見て回ってもらってもいいさ。そんなに惡い感じしないからね。そのうち、そっちのことも聴かせてもらうよ。
少年:
みんな・・・
あみ:
もっと飛んでいないと退屈〜。あたしその辺行ってる!
少年:
そういえば、ここって、言葉が通じるんだね・・・
ぽみ:
そういえば、なんで通じるんでしょう!
自然に言葉を理解してしまう不思議な森。
いったい、この森はどんなところなのか。少年は何を見始めているのか。
ぽふ ぽふ
ぽふして
ぽふしたら温まる
ぽふ ぽふ
ぽふして
ぽふしたい
聞いてるよ
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これで今回のお話は終わりです。
一時期、空白の時代にいた筆者は、ファンタジーものが苦手でしたが、Freshmiaを始めてから少しずつ何かを見るようになりました。そんな筆者が綴る、森のお話。
ある魂の家族からインスピレーションを受け取ったこともあり、このようになりました。妖精の森の提案者として、このような脚夲が書き込みできる時が來るとは・・・
Freshmiaは何かとシロツメクサ・クローバーと縁があるようでw関係する物事を見て和みます。花言葉も調べてみましたが、これはいったい。
ぽみ・あみ・みみ・ふみ。4人揃ってぽふぽふします♪