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 酷暑のせいで、気を失いそうになる。
嫌になるほど降っていた雨の音は断たれた。最後に雨に打たれた日は、随分と前だ。
不気味なまでに静まり返っていた。ここの住民と共に、着実に枯れ果てようとしている。

 透日は、ゴミで埋め尽くされた部屋を見て、逃げ出だしたくなった。特に、内側の世界を知ってから、その気持ちが全面に出るようになった。

ハルは「用事がある」とだけ告げて内側に残った。
そのため、今回は一人で作業をしなければならない。
彼なりに気を遣ったのかもしれないが、遠慮しないで一緒にいる時、言ってほしかった。

 幾度となく乗り越えてきたのに、ペースが上がらない。

 しばらくして、ガサガサと踏みつける足音がした。
ハルが戻ってきたのかと思ったら、目が合ったのは、古傷の男だった。

「よう、久しぶりだな」

一気に心臓が縮む。トラウマがフラッシュバックした。

「あ…ど、どうも…」

 透日の尋常ではない挙動に、古傷の男は言った。

「ハハ、安心しろ。俺にそっちの趣味はない。…ただし、お前さんが匿っているチビが成長してきたら…。分からないけどな」

「…冗談を言っている暇があるなら、さっさと手伝ってください」

「ピリピリするなよ。匿っていると言えば、最近一緒にいる青年のことだが…。お前さん、やつの本性を知っているのか?」

「さぁ。誰のことですか?人違いでしょう」

「人違いか。なら、いいんだ。一度道を踏み外したやつが、正常に戻ることは相当難しい」

「何が言いたいんですか?」

「良いことを教えてやろうと思ってな。あいつ、シュン・クマルは殺人犯だ。しかも、嫉妬に狂って二人も殺した、猟奇的殺人犯だよ」

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