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彼らの労働条件も厳しく、一回でも遅刻すれば次はない。

「俺は別ルートで行くから。先に入っててください」

「ハルお兄ちゃん、一緒に行かないの?」
茉璃が心配そうに訊く。

「大丈夫、すぐに合流できるよ。それじゃ、向こうでお会いしましょう」
ハルは大きく手を振り、あっという間に人混みの中に消えていった。

「ハルのことだから心配ないよ。さあ、僕らも進もう」

順々にカードをかざして入っていく。門番は複数のシロイドたち。
人間のように滑らかな動きに、不気味さを感じた。

 順番が近づいてくる度に緊張が増していく。
少しでも不審な動きをすれば、何をされるか分からない。

透日の順番がやって来た。すぐ後ろに茉璃がいることを確かめる。
「最初は僕が行くから、ちゃんと見ててね」

「うん。分かった」

シロイドから「こちらにカードをタッチしてください」と指示された。

その機器に“オサム・アンダーソン”のICカードを読み取らせる。ライトが緑色に光った。

「先にお進みください」とディスプレイ画面に表示され、シロイドからも「次はこちらへ」と音声が流れた。

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