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「もうすぐで『開放日』だね!私、選ばれる自信あるよ」
「私だって。中々の美人だし、成績も良いし」

甲高い声同士の会話が耳に入った。

もしかしたら、ハルは「開放日」のタイミングで自分たちを向こう側へ連れて行こうとしているのではないか。
だとしたらどんなにいいとこか。

「恩は必ずー」そう言われて以来、一喜一憂を繰り返している。

「おい!遅いぞ、早く来い!」
リーダ格の女子生徒は、1人で複数人の荷物を抱えながら歩く少年に言い放った。

ー茉璃学校に入れなくてよかった

教養はなくても、優しさだけは捨てないでほしいと彼女たちを見て思った。

「ちょっと、そこの…」透日を指さし指示してきたのは、眼鏡をかけた女性だった。

「名前、なんだっけ?まあいいか。こっちを先にやって」

連れてこられたのは男子トイレの前。

「臭いがキツくて頭痛くなる。急いでやって」
それだけ言ってすぐ立ち去った。

「はい、分かりました…」

相変わらず、内側の人たちは汚れ仕事をしたがらない。

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