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第15話 ナース先生の裏で

ナース真凜先生による勉強会の同日。

大迫清人と七谷海も2人で集まっていたのだった。



「俺は海ちゃんの恋、応援するぜ!」



「本当...?嬉しいな。...私も清人くんの恋...応援してるよ...」



「え!?知ってるの!?」



「うん...。汐崎さんでしょ...?」



「やっぱバレてたかーwでも、相手は既婚者だからねーw」



「でも...好きなんでしょ?それなら...関係ないよ」



「そ、そういうもんなのかな...。でも、もし結婚してなくても俺と汐崎さんじゃ釣り合わないしなぁ...w」



「そんなこと...ないと思うよ...?清人くん明るいし、かっこいいと思うし...」



「マジ!?俺ってかっこいいん!?」



「うん...。私はそう思うよ...」



「そっかぁ...。よし、そんなことを言ってくれる海ちゃんには碧の全部を教えてあげよう!」



「あ、ありがとぅ...」



「えっとねー...碧は...ロリ巨乳がタイプ!」



「///」



「そう!つまり!海ちゃんはドストライクということ!」と、胸を指さす。



「!!!///」と、胸を隠す。



「あとは...うん...なんだろうなー...。多分、デレデレしてくれる女の子がタイプだと思う!」



「そ、そうなんだ...」



「あとはーあいつは結構エロいから気をつけろ!」



「そ...そうなんだ//」



「そうだぞ!結構なむっつりだ!あとは...うん。家が色々あるから...なるべく優しくしてくれると嬉しいな」



「...うん」



「碧の家のことは知ってる?」



「...少しは...知ってるかな」



「そっか。まぁ、できる妹と比べ続けてな...。親からは精神的な虐待を受けてるみたいな...。まぁ、本人に許可なくこういうことを話すのはアレだけど...つまり!海ちゃんにはあいつのことを支えて欲しいってこと!」



「らっ...ラジャー...」と、恥ずかしそうに敬礼する。



 すると、急に扉が開いて「おねえーちゃーん!!」と小学生くらいの海ちゃん達が3人ほど入ってくる。



「うぉっ!?なんだなんだ!?」



「あれ!?なんか男の人がいる!」

「だから入ったらダメだって言ったのに!」

「あーあーしーらない」



【挿絵】

 
挿絵




「ちょっと...あんたたち...!」



「え!?彼氏!?彼氏なの!?」

「うおー、結構イケメン!」

「確かに」



 そのまま無理やり追い出す海ちゃん。



「ご、ごめん!...清人くん...」



「妹ちゃんもしかして三つ子!?」



「う、うん...」



「へぇ...可愛いねぇ...」



「...妹はまだ小学生だよ?」



「いや、狙ってるわけじゃないから!」



 ◇



 清人くんが帰った後、妹達の部屋に行く。



「...ちょっと...困るんだけど」



「だって、雪がお姉ちゃんの彼氏が来てるっていうからー」

「佑美も行こうって言ってたじゃん!」

「結衣だってついてきたし」



「...もう誰でもいいけど...やめてよね。あと、彼氏とかじゃないから」



「えー!違うのー!」

「嘘だ嘘だ!」

「違うんだ。かっこよかったけど」



 ため息をつきながら部屋に戻る。



 言っちゃったな...。

いや、班に誘った時点でバレてたと思うけど...。

既婚者だから...というのを否定したのはきっと自分を肯定したかったからだ。



 すると、あの違和感に襲われる。



 疲れている時、ストレスが溜まっている時などに、少し意識が遠くなるような、自分が自分ではない気がするようなそんな感覚。



 思えば私みたいな恥ずかしがり屋で、内気な人間が唐突な行動に出てしまうのも、少しおかしな話である。



 しかし、そんな少し自分を俯瞰して見るような気分でいつものようにベッドにダイブする。



「あー...碧くんとS◯Xしてぇー」と、そんな言葉を発する私。

バカバカ!?//何言ってんの私!?//いや...し、したいけども...//



「つか、あの女本当にムカつくなー。毒殺でもしてやろうか」と、言いながらぬいぐるみをバレーボールのように扱う。

毒殺なんて...そんなのダメに決まってる!



 思っていることがそのまま口に出てしまう、反射に近いような感覚に襲われてしまう。



「...はー。ストレス溜まるわー」



 そうして家を飛び出してランニングをし、しばらくするといつも通りの私に戻る。



「はぁ...疲れた」



 ここ最近はよくこうなってしまっている気がする。



 そのままもう一度ベッドに入る。

そうして、机の中からあの写真を取り出す。



「...」



 諦めなきゃいけないと分かっているのに、私の中の悪魔が囁くのだ。

奪い取ってしまえと。

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