第2話 十六夜家
よし。それじゃあ瑠奈の家に行くか!
ピーンポーン
『はーい』
「あ、秀真です。」
『あ!秀真くん!あがってあがって〜』
「ありがとうございます。」
そうして俺は十六夜家に上がらせてもらう。
「ホント久しぶりね〜」
玄関に来てくれたのは瑠奈の母親だ。
「お久しぶりです。しばらくあっていなかったなと思って。」
「いいの〜いま着てくれたからね」
「ところで瑠奈はいますか?」
「あ、部屋にいるわよ〜ゲームをしてると思うからおしえてあげて〜」
「ありがとうございます。まぁ僕もそこまでうまくないですが。」
僕が苦笑いすると
「謙遜しなくていいのよ〜元世界1位さん」
「ハハ…過去のことですよ」
そう言って俺は二階に上がる。
「邪魔するで〜」
そう言ってノックすると…
あれ?反応がないぞ?
「おーい」
何回ノックしても反応がない
居ないのかな?
そう思ってドアを開けると
「スーーーー」
…寝てるんかい。いや寝てるんかい。
俺は上を向いて出てくる(と思われるエア)涙を抑える
ん?なんかパソコンの電源が付いてるぞ?
「…は?」
そこにはなんと―――
「ルーナの部屋」
と書かれたユーチューブの配信終了後の画面があった…
☆☆☆
「…ん〜〜〜」
ようやく起きたようだ。
「おーい」
瑠奈がビクッ!っと肩が跳ね上がる。
「って秀真じゃん。驚かせないでよ〜ってか久しぶり!」
「あぁ、久しぶり…じゃねえよ!」
「ん?あぁさっきあったか!」
「そういうことじゃない!」
「ん〜〜?」
「お前!Vtuberだったのか!?」
そこで初めて瑠奈が動揺する。
ごまかすか認めるか…
「な、な、な、ナンノコトカナ~タマタマハイシンヒライテタダケダヨ~~」
…なんともわかりやすいやつだ。
「はぁ。ルーナの部屋。」
そう言うと唐突に瑠奈は顔が赤くなる。
よし。もっと食らわせてやろう。
『こんるな〜!ルーナだよ〜!』
そうして瑠奈の配信切り抜きを流す。
「あぁぁぁぁぁ!やめてぇぇぇぇぇ!」
ついに瑠奈はバタンキューする。
やりすぎたか…
動画を止めてしばらく瑠奈の回復を待ってると…
「あぁ〜恥ずか死ぬ。」
「急に真面目になんな。あと恥ずか死ぬはもう死語だと思うぞ。」
「そんなことはどうでもいいんだよ!バカ!」
「もう一度愧死させてやろうか?」
そうして動画再生ボタンに手を伸ばして…
「ごめんごめんごめんごめん!それだけはやめてーーー!」
相変わらず愉快なやつだ
「ってことで説明してもらおうか。」
「さぁ?なんのことやら?」
そしてまた俺は動画再生ボタンに手を(略)
「話す話す!2年前かな〜。Vtuberの動画をたまたま見つけて、あ!Vtuberになりたいな〜って思って。知ってるでしょ?V学園っていう名前の事務所。最近急上昇中の有名事務所。」
「いや知らん。」
そう返すと少し呆れられた眼で見られた。そんな眼するんだな
「まぁそこの事務所にオーディションに言ったんだけどそしたら受かっちゃんだ〜」
へぇ…ってなるか!行動力すごすぎだろ。
「ってな感じ。」
「へぇ〜。頑張ってね。」
そう言って俺は立ち上がってさぁ帰…
「まって!それだけ!?ねぇ、まだ話あるの!」
「はいはい、無理です。じゃばいばい。」
「ちょ、話聞けーー!」
そうして扉を塞がれる。やられた…
「なんだよ。」
「お菓子あげるから!」
「俺のことガキかなんかと思ってる?」
「女の子にもてるから!」
「別にモテたいと思ったことない」
「コミュ障治るから!」
「っ!」
「あ、反応した」
しまった。つい本能が…
瑠奈は二や〜と笑って
「大丈夫!ほんとにコミュ障治るから!」
「まぁそれなら話ぐらいは…」
「チョロ」
「おい聞こえてるぞ?」
そうしてまた俺は瑠奈の動画の再生ボタ(略)
「すみませんすみません。でもほんとにコミュ障治るんです〜」
「で?どんな話なんだ?」
「秀真も配信者、ストリーマーでもいいから!しよ!」
…は?このポンコツは何を言ってるんだ?