第3話 主人公、配信者になる
「秀真も配信者、ストリーマーでもいいから!しよ!」
…は?このポンコツは何を言ってるんだ?
「おーい、あれ〜?おーい」
おっと、一瞬気が飛んでいた。
「は?僕がストリーマー?冗談も程々にしろよ」
「冗談?私は本気だけど!」
「瑠奈…俺がコミュ障だって知ってるでしょ?」
「知ってるよ?でもね、コミュニケーション障害っていうのは基本的に人に対して使うものなんだよ?べつにストリーマーは機械に向かってするからコミュ障でも大丈夫だと思う。」
「なんか急に真面目なこと話しだしたな」
「あとね、そうやってストリーマー続けてたらコミュ障治ると思うよ!」
「…」
思わず僕は黙り込んでしまった。確かに瑠奈の言うとおりかもしれない。僕は人に対してコミュ障なだけであって機械に対してならそこまで詰まることなく話せるかもしれない。
ちょっとありかもしれないなと思いながら考え込んでいると…
「まぁしらんけど!」
「俺の時間を返せ」
だけど僕はまぁ、と続けて…
「まぁ、瑠奈の言うことも一理ある。たしかにそれはいいかもしれないな。」
「でしょでしょ!だから…」
「いや、それでも無理だと思う。」
「え?なんで?」
「それは…」
そこで俺は少しためて…
「そもそも動画配信サイトというものがよくわかっていない」
「…」
瑠奈にまた呆れられた眼を向けられる。
…なんかごめん
「じゃあせっかく来たことだし、私がここでチャンネルとか作って色々おしえてあげるよ!」
「まじ?」
「そそ、それで問題解決!秀真もストリーマーだね!」
「いや、待て。俺はまだやるなんて一言も言ってないぞ?」
「え?やらないの?」
「え?やるの?」
「「…」」
気まずい沈黙が流れる
「まぁ一回やってみたら?案外登録者数増えるかもよ?」
「まぁじゃあ…」
そうして瑠奈にチャンネルを作ってもらい色々と動画配信サイトについておしえてもらった。
「それじゃあありがと。僕帰るね」
「おっけー!じゃあ配信頑張ってね!」
「まだするか決めてないけど…うん」
そして俺は十六夜家をでて自分の家に帰る
☆☆☆
「ふぅ、配信かぁ」
どうしようか迷う。確かに配信者は魅力的だ。
だが…
いや、迷っていても仕方ないか
「よし、やってみるか」
そう決意して配信開始のボタンを押す。
僕の名前は「悠馬/ゆーま」。ゲーム配信者だ。
「こ、こんにちは。ゆーまです。今日はVSBっていう今人気のゲームをやろうと思います。」
―だれだ?
―新人?
―がんばれー
すでに何人かのひとが来てくれている。
そうして初配信の1戦目がはじまった。
今回も大会ではないので強気に激戦区に降りる。
早く武器を拾って敵を倒しに行こう。
武器はタクティカルショットガン(タクショ)とライトサブマシンガン(LSMG)
体力もシールドも万全なので行けるはず。
資材を刈りながら索敵していると…
足音が聞こえる。資材を刈ってたから敵もきずいているだろう。
だったらもう突撃するしかない。
足音を追いかけ上の階にいる敵を床を壊して落とした。
「よし、フルボックス」
ーおお
ーいい立ち回り
ーボックスの囲い方うま!
ボックスとは自分の建築で相手を囲うことだ。いかに建築物の編集権を奪うかがこのゲームの鍵になると思っている。
そして僕はライトハンドピークを使って相手を倒す。
ーえ?今床入れなかった?
ーいやうま
ープロやん
「あ、え、ありがとうございます。」
ー配信初めてなのかな?
ーコミュ障で草
ープレイとのギャップw
「う、コ、コミュ障じゃないです!」
ーその発言がコミュ障w
ー絶対コミュ障やん
「うぅ…あ!敵!」
ー誤魔化した
ーごまかしたなw
なんかめっちゃ言われてる…
そう思いながら敵に接触する。
僕は持っているLSMGを撃つ。割と距離があるからダメージはそこまで高くないが連射してほぼ全部ヘッドショットなのでダメージは相当はいった。
「お、割れた」
ーは?
ーエイムバグってるw
ーチーターww
相手のシールドをすべて削ることを割った、という。これはシールドをすべて削りきったときの音がパリン、と聞こえることからだ。
そして敵が気づいて慌てて自分を囲う。
俺は近づいて壁に向かってLSMGを連射し続ける。これで相手は回復ができない。ずっと建築し続けないといけないから。
そして俺は壁が壊れた、その瞬間を狙って壁を張り替える。
これで編集券を奪った。
そして右下を編集で開けてボックスの中に入る。
中に入った瞬間タクショで相手にヘッドショットを決める。
ーなにそれw
ー回線良すぎんか?
ー張替えうまw
そのコメントを読みながら敵の物資を漁ってると
「お、スナイパーだ。」
そして俺はショットガンを捨ててスナイパーを選ぶ。
ーは?
ーショットガン捨てるとかやばw
ーついに気が狂ったか?
「まぁ見てなって」
ーかっけえw
ーフラグで草
ー死亡フラグ立ったw
ほんとに言いたい放題だな。
そして奥に敵を見つける―――